映画評「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」
☆☆★(5点/10点満点中)
2011年日本映画 監督・蔵方政俊
ネタバレあり
「49歳で電車の運転士になった男の物語」が好評だったからか、最初からそのつもりだったのか解らないが、とにかく「RAILWAYS」第2弾である。前作ほど主人公・三浦友和が電車の運転士である必要性はないものの、黒澤明が「野良犬」(1949年)で人生を線路に譬えたように、本シリーズにも人生を線路になぞらえる狙いがあるようで、ご当地映画という狙い共々なかなか上手く行っている。
富山地方鉄道に勤めて42年、運転士になって35年の三浦氏が後一ヶ月で退職という時期になって、細君の余貴美子が母親の介護でやめた看護師に復帰したいと願い出たことから考えの違う二人の関係がぎくしゃく、娘の小池栄子が出産間近という中、遂に彼は離婚届を市役所に提出する。
スタートは熟年夫婦の関係を等身大に描出していて感じが出ているが、細君が在宅で面倒を見ている患者・吉行和子が黙って家を出て乗ったのが三浦氏が研修生を指導中の電車で、落雷でストップしたところで倒れてしまって大騒ぎ、駆け付けた彼女の看護ぶりを観て主人公が考えを改めるというシークエンスから幕切れにかけては少々作り過ぎの感あり。トーンの一貫性を崩しているとまでは言い切れない、この程度の作為はあっても良いだろうとは思うものの、地味に徹してほしかった。もっと地味でも十分通用する程度に作っているだけに惜しいのである。
考えを改めたのに離婚届を出す。これは何故か・・・実際に見て貰えば解ります。
鉄ちゃんの友達が石川県に住んでいる。隣の県の鉄道だけに何回も乗っているだろう。今度会ったら訊いてみよう。
2011年日本映画 監督・蔵方政俊
ネタバレあり
「49歳で電車の運転士になった男の物語」が好評だったからか、最初からそのつもりだったのか解らないが、とにかく「RAILWAYS」第2弾である。前作ほど主人公・三浦友和が電車の運転士である必要性はないものの、黒澤明が「野良犬」(1949年)で人生を線路に譬えたように、本シリーズにも人生を線路になぞらえる狙いがあるようで、ご当地映画という狙い共々なかなか上手く行っている。
富山地方鉄道に勤めて42年、運転士になって35年の三浦氏が後一ヶ月で退職という時期になって、細君の余貴美子が母親の介護でやめた看護師に復帰したいと願い出たことから考えの違う二人の関係がぎくしゃく、娘の小池栄子が出産間近という中、遂に彼は離婚届を市役所に提出する。
スタートは熟年夫婦の関係を等身大に描出していて感じが出ているが、細君が在宅で面倒を見ている患者・吉行和子が黙って家を出て乗ったのが三浦氏が研修生を指導中の電車で、落雷でストップしたところで倒れてしまって大騒ぎ、駆け付けた彼女の看護ぶりを観て主人公が考えを改めるというシークエンスから幕切れにかけては少々作り過ぎの感あり。トーンの一貫性を崩しているとまでは言い切れない、この程度の作為はあっても良いだろうとは思うものの、地味に徹してほしかった。もっと地味でも十分通用する程度に作っているだけに惜しいのである。
考えを改めたのに離婚届を出す。これは何故か・・・実際に見て貰えば解ります。
鉄ちゃんの友達が石川県に住んでいる。隣の県の鉄道だけに何回も乗っているだろう。今度会ったら訊いてみよう。
この記事へのコメント
ローカル線というのは哀愁が感じられるのでしょうね。
地味なまま・・・・どうしても事件を入れたがるのが、どうかと思うんですな~
あのまま、終わればいいのにと思うんですがね。
先日、偶然にも蒸気機関車に出会ってビックリしました。
三連休で成田線で走らせたそうで、それを千葉まで運んでいく途中だったそうです。
鉄ちゃんが、大勢来てカメラで撮ってました。
どこから、情報を集めるんだろうと感心しました。
映画だから“見せ場”を意識するのでしょう。
それはちょっと勘違いだと僕は思いますが、配収的にはそのほうが有利というのが実際でしょうかねえ。
>蒸気機関車
埼玉の秩父に紅葉を観に行った時に遭遇しましたが、あれは始終走っているようで、後年友達の鉄ちゃんとも行きました。
この間近くの信越線沿いにそれらしき人が数名いましたが、あれは何だったんだろうなあ。
惜しむらくは・・・・。この作品を先に見てから、「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」を見てしまった事です。僕の人生、そういう事が多すぎます(苦笑)。
>定年退職間近のサラリーマン。そしてちょっとした事で夫婦関係が悪くなる。
映画の出来栄えと関係なく、それを通り過ぎた年齢にもなりますと、この辺りじーんとさせられるものがあります。