映画評「テルマエ・ロマエ」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年日本映画 監督・武内英樹
ネタバレあり
ヤマザキマリのコミックを武内英樹が映画化したタイムスリップ・コメディーである。
古代ローマの公衆浴場設計士ルシウス(架空の人物)に「バブルへGO! タイムマシンはドラム式」で既にタイムトラヴェルSFに縁のある阿部寛、その他五賢帝の一人ハドリアヌスに市村正親、その後を継いだアントニヌス・ピウスに宍戸開、最初ハドリアヌスを信任を受けていたケイオニウスに北村一輝という“濃い”顔の役者を配役、納得するやら可笑しいやらでこれだけでも楽しめる。これを本当のイタリア人がやったら全く可笑しくならない。
設計に行き詰っていたルシウスが浴場で溺れると、日本の銭湯にタイムスリップ、人々の平べったい顔に強烈な印象を受ける一方で、“属州”なのに優れたアイデア満載なのに驚き、ローマに戻るやそのアイデアを生かして風呂好きのハドリアヌスに気に入られる。
そうした出来事を繰り返すうちに懇意になった漫画家志望の上戸彩が今度は古代ローマに飛んでしまい、ケイオニウスが後継者になると歴史が変ってしまうとルシウスに教え、彼は一計を案じて戦場に傷や疲労回復に効果のある浴場をアントニヌスのアイデアと称して作らせ、アントニヌスを後継者に決めさせる。
前半はとにかく、ルシウスの見たことのない機械・道具類に対する反応の面白さに尽きるが、機械の動作の陰で奴隷が働いていると考え、それが一々映像になって現われる辺り誠に可笑しい。後半は後継者を巡る比較的真面目なお話に推移するが、そこにも浴場が絡ませるなど作劇に一貫性があるのがヨロシイ。
タイムスリップに洋と和のギャップを加えたアイデアが新鮮ながら、邦画のタイムスリップものでは「サマータイムマシン・ブルース」ほど密度が濃くなく、声楽場面で遊び過ぎているのがマイナス。しかし、何より明朗なのが良い。
竹内力が“平たい顔族”にいるのは配役ミスじゃろ(笑)。
2012年日本映画 監督・武内英樹
ネタバレあり
ヤマザキマリのコミックを武内英樹が映画化したタイムスリップ・コメディーである。
古代ローマの公衆浴場設計士ルシウス(架空の人物)に「バブルへGO! タイムマシンはドラム式」で既にタイムトラヴェルSFに縁のある阿部寛、その他五賢帝の一人ハドリアヌスに市村正親、その後を継いだアントニヌス・ピウスに宍戸開、最初ハドリアヌスを信任を受けていたケイオニウスに北村一輝という“濃い”顔の役者を配役、納得するやら可笑しいやらでこれだけでも楽しめる。これを本当のイタリア人がやったら全く可笑しくならない。
設計に行き詰っていたルシウスが浴場で溺れると、日本の銭湯にタイムスリップ、人々の平べったい顔に強烈な印象を受ける一方で、“属州”なのに優れたアイデア満載なのに驚き、ローマに戻るやそのアイデアを生かして風呂好きのハドリアヌスに気に入られる。
そうした出来事を繰り返すうちに懇意になった漫画家志望の上戸彩が今度は古代ローマに飛んでしまい、ケイオニウスが後継者になると歴史が変ってしまうとルシウスに教え、彼は一計を案じて戦場に傷や疲労回復に効果のある浴場をアントニヌスのアイデアと称して作らせ、アントニヌスを後継者に決めさせる。
前半はとにかく、ルシウスの見たことのない機械・道具類に対する反応の面白さに尽きるが、機械の動作の陰で奴隷が働いていると考え、それが一々映像になって現われる辺り誠に可笑しい。後半は後継者を巡る比較的真面目なお話に推移するが、そこにも浴場が絡ませるなど作劇に一貫性があるのがヨロシイ。
タイムスリップに洋と和のギャップを加えたアイデアが新鮮ながら、邦画のタイムスリップものでは「サマータイムマシン・ブルース」ほど密度が濃くなく、声楽場面で遊び過ぎているのがマイナス。しかし、何より明朗なのが良い。
竹内力が“平たい顔族”にいるのは配役ミスじゃろ(笑)。
この記事へのコメント
こうしてみると日本人の血の中にかなりヨーロッパ系の血が混じっていることがよくわかりますな~(^_^.)
原作を書いた漫画家も編集者もこれほどヒットするとは思っていなかったそうで、これ以上ダラダラと同じことを書いていても仕方ないというので、漫画のほうは最終回を迎えたようですが・・・・
映画の方はパート2でも作りそうな気配が・・・・
『猿の惑星』も一作で終わらせておけば名作だったんですがね。(~_~;)
>ソース顔
もう使わなくなりましたね。
流行語はすたれるのも早い。
>日本人
恐らく本当の原日本人は二万年前にシベリア(ブリヤート)からやってきた人たちですが、その後西から南から色々な民族が合わさって出来たのが現在の日本人の先祖ですので、彫りの深い顔の方がいるのも当然なんですね。
>『猿の惑星』
仰る通り。
あの最後は予想もしていないだけにビックリでしたなあ。
二作目以降は部分的には面白くても凡作・駄作揃いでしたね。