映画評「マダガスカル3」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督エリック・ダーネル、トム・マクグラス、コンラッド・ヴァ-ノン
ネタバレあり
大体映画における駄弁が嫌いであり、動物擬人化アニメ(擬人化にも二通りある。動物の視点でお話を見せるのではなく、単純に人間を動物にあてはめただけのもの)にも批判的な立場からこのシリーズは高く評価できなかったわけだが、この第3作(最終作?)はなかなか良い。
ニューヨークの動物園からサバンナの住人になったライオン君(アレックス)、シマウマ君、キリン君、カバ嬢がホーム(?)シックになってニューヨークに戻ろうと、まず頼りになるペンギンたちがいるらしいモンテカルロまで直行することにする。
本作で感心したのは途中の道程をスパッと省いて四人組(+リスザル)をいきなり目的地へ到着させてしまうことである。すべてがこの調子で寄り道せずに進み、おまけにカジノでの騒ぎに始まり、女警部とのカーチェースなど視覚的な工夫を凝らし駄弁を少なくしているのが展開のスピードアップに貢献して退屈させる暇を与えない。テンポが早ければ良いというものでもないが、この手のお話には誠にふさわしい。
女警部率いるフランス警察から逃れる為にあるサーカス団のメンバーと偽って、海外公演中のサーカス団に紛れ込んで逃走するが、この偽りが敬意を示して来た本当のサーカス動物たちの顰蹙を買うという後段へと繋がっていて、彼ら二グループの葛藤とトラのトラウマ克服を、国境を無視して追いかけて来る女警部によるニューヨークでの大捕物騒動に絡めて展開させる、といった具合に誠に要領よく作られている。
友情の扱いがご都合主義的で少々問題があるものの、子供向けと考えれば余り難しいことを言うに及ばずといったところ。悪役として大いにカリカチュアされた女警部が強烈で、大いに笑える。
トラにトラウマはあったが、シマウマにトラウマはなかった。
2012年アメリカ映画 監督エリック・ダーネル、トム・マクグラス、コンラッド・ヴァ-ノン
ネタバレあり
大体映画における駄弁が嫌いであり、動物擬人化アニメ(擬人化にも二通りある。動物の視点でお話を見せるのではなく、単純に人間を動物にあてはめただけのもの)にも批判的な立場からこのシリーズは高く評価できなかったわけだが、この第3作(最終作?)はなかなか良い。
ニューヨークの動物園からサバンナの住人になったライオン君(アレックス)、シマウマ君、キリン君、カバ嬢がホーム(?)シックになってニューヨークに戻ろうと、まず頼りになるペンギンたちがいるらしいモンテカルロまで直行することにする。
本作で感心したのは途中の道程をスパッと省いて四人組(+リスザル)をいきなり目的地へ到着させてしまうことである。すべてがこの調子で寄り道せずに進み、おまけにカジノでの騒ぎに始まり、女警部とのカーチェースなど視覚的な工夫を凝らし駄弁を少なくしているのが展開のスピードアップに貢献して退屈させる暇を与えない。テンポが早ければ良いというものでもないが、この手のお話には誠にふさわしい。
女警部率いるフランス警察から逃れる為にあるサーカス団のメンバーと偽って、海外公演中のサーカス団に紛れ込んで逃走するが、この偽りが敬意を示して来た本当のサーカス動物たちの顰蹙を買うという後段へと繋がっていて、彼ら二グループの葛藤とトラのトラウマ克服を、国境を無視して追いかけて来る女警部によるニューヨークでの大捕物騒動に絡めて展開させる、といった具合に誠に要領よく作られている。
友情の扱いがご都合主義的で少々問題があるものの、子供向けと考えれば余り難しいことを言うに及ばずといったところ。悪役として大いにカリカチュアされた女警部が強烈で、大いに笑える。
トラにトラウマはあったが、シマウマにトラウマはなかった。
この記事へのコメント
テンポがよくて面白かったですけどね。
むかしだったら、クルーゾー警部シリーズで作りそうな内容ですね。
>クルーゾー警部
英国人のピーター・セラーズが、フランスのずっこけ警部をやるわけですから、深読みをすれば、イギリスが昔から仲の悪いフランスの悪口をいっているようにも解釈できましたね。
尤も監督はアメリカ人のブレイク・エドワーズなので、多分それはなかったのでしょうが。
しかし、英国系アメリカ人にはその辺りは常識でしょうから、当らずとも遠からずでしょうか?
本作も何となくフランス人への悪口に思えないでもないです。思うに、僕の経験上フランス人は頑固ですが、フランス国民は世界で一番民主的。
民主主義・自由主義の観点から言ったら実は現在、日本は先進国の中では下の方。まして、自民党案通りの改憲(特に36条改悪が恐ろしい)が通ったら、日本は明治時代に逆戻り。日本人が批判している中国と殆ど変らぬ野蛮な国家になるのでは?