映画評「ロビイストの陰謀」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年カナダ映画 監督ジョージ・ヒッケンルーパー
ネタバレあり
資料によってはアメリカ映画になっているが、どうもカナダ映画らしい。
第二のウォーターゲート事件と言われ、アメリカの共和党を揺るがした政治事件の映画化。
所謂“際物”であるが、この事件については全く記憶にない。つまり、事件の首謀者であるロビイストという存在が日本人にはお馴染みでない為日本のマスメディアが大きく取り上げなかったのが原因と思われる。そんな事件を扱った政治映画が日本で公開されたのは主演したケヴィン・スペイシーの知名度によるものだろうか?
1970年代までは外国の政治に関する映画は配給会社が敬遠していて、アカデミー作品賞を受賞した「オール・ザ・キングスメン」(1949年)ほどアメリカで評判になった作品でさえ製作からおよそ30年経った1970年代後半にやっと公開されたほどだから、時代が変ったという印象も受ける。
党利党則に縛られないアメリカの議員を動かすと言われているのがロビイストなる影の存在で、その中でも大物中の大物ジャック・エイブラモフ(スペイシー)はライバル関係にあるアメリカ先住民二部族双方のカジノに口を挟んで不正に莫大な見返り金を得、ギリシャ人が経営するフロリダの船上カジノを騙し取る。協力者に雇った悪徳弁護士(ジョン・ロヴィッツ)が騙した相手を殺す事件から雲行きが怪しくなり、弟分のマイケル・スキャンロン(ハリー・ペッパー)の浮気に怒った恋人がFBIに真相を告白したことから足が付く。
というお話で、浮気から事件が発覚というのは何とも締まらない喜劇的顛末であり、主人公が映画好きで「ロッキー」など有名映画の台詞をやたらに吐くなど、邦題の元ネタになった「大統領の陰謀」のようなポリティカル・サスペンスというよりコミカルな実録ものという印象が強い。
つまらなくもないが面白いと言うには抵抗がある出来映えで、日本人には、ロビイストなる存在がある程度理解できるのが取り柄。主人公がロビイストの典型とは言えない一方で、活動の性格から言ってロビイストには多かれ少なかれこういう面があると推測できる。アメリカ政治において必要悪ということなのであろう。
ところで、韓国や中国はアメリカでのロビー活動を盛んに行なっていると聞く。昨今のニュースから判断する限り日本人ももう少しうまくロビイストを利用しないと国際社会で生き残れないかもしれない。
アメリカ先住民のカジノ経営というのも初めて知ったです。
2010年カナダ映画 監督ジョージ・ヒッケンルーパー
ネタバレあり
資料によってはアメリカ映画になっているが、どうもカナダ映画らしい。
第二のウォーターゲート事件と言われ、アメリカの共和党を揺るがした政治事件の映画化。
所謂“際物”であるが、この事件については全く記憶にない。つまり、事件の首謀者であるロビイストという存在が日本人にはお馴染みでない為日本のマスメディアが大きく取り上げなかったのが原因と思われる。そんな事件を扱った政治映画が日本で公開されたのは主演したケヴィン・スペイシーの知名度によるものだろうか?
1970年代までは外国の政治に関する映画は配給会社が敬遠していて、アカデミー作品賞を受賞した「オール・ザ・キングスメン」(1949年)ほどアメリカで評判になった作品でさえ製作からおよそ30年経った1970年代後半にやっと公開されたほどだから、時代が変ったという印象も受ける。
党利党則に縛られないアメリカの議員を動かすと言われているのがロビイストなる影の存在で、その中でも大物中の大物ジャック・エイブラモフ(スペイシー)はライバル関係にあるアメリカ先住民二部族双方のカジノに口を挟んで不正に莫大な見返り金を得、ギリシャ人が経営するフロリダの船上カジノを騙し取る。協力者に雇った悪徳弁護士(ジョン・ロヴィッツ)が騙した相手を殺す事件から雲行きが怪しくなり、弟分のマイケル・スキャンロン(ハリー・ペッパー)の浮気に怒った恋人がFBIに真相を告白したことから足が付く。
というお話で、浮気から事件が発覚というのは何とも締まらない喜劇的顛末であり、主人公が映画好きで「ロッキー」など有名映画の台詞をやたらに吐くなど、邦題の元ネタになった「大統領の陰謀」のようなポリティカル・サスペンスというよりコミカルな実録ものという印象が強い。
つまらなくもないが面白いと言うには抵抗がある出来映えで、日本人には、ロビイストなる存在がある程度理解できるのが取り柄。主人公がロビイストの典型とは言えない一方で、活動の性格から言ってロビイストには多かれ少なかれこういう面があると推測できる。アメリカ政治において必要悪ということなのであろう。
ところで、韓国や中国はアメリカでのロビー活動を盛んに行なっていると聞く。昨今のニュースから判断する限り日本人ももう少しうまくロビイストを利用しないと国際社会で生き残れないかもしれない。
アメリカ先住民のカジノ経営というのも初めて知ったです。
この記事へのコメント
先住民たちに対する優遇措置の一環として彼らの居留地内では、彼らの自由裁量が任せられているようで、あちこちでカジノが経営されているようです。
税金の優遇措置も取られているようで、先住民=貧しいという図式は消えつつあるようですね。
>アメリカ先住民のカジノ経営
あらら、僕が観た映画でもあったかなあ。あったかもしれないなあ(笑)
>先住民
先般読んだモーガンの「古代社会」によると、アメリカ・インディアンの社会から人類史が解ると言っていて、白人が発見した頃のインディアン社会には数千年前から一万年以上前の人類の姿があったらしいですが、本作を見ると一部でその名残りが見出される一方で、大分白人化されているんでしょうね。