映画評「預言者」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年フランス映画 監督ジャック・オーディアール
ネタバレあり
「真夜中のピアニスト」は未だに観られず、その前の「リード・マイ・リップス」ではアイデア倒れの印象を持ったジャック・オーディアール監督としては前述作品よりずっと上出来であろう。
19歳のアラブ系少年タハール・ラヒムが投獄され、アラブ勢力としのぎを削る勢力コルシカ・マフィアの大物幹部ニエル・アレストリュプの手足として働くことで生きにくい刑務所を忍び、模倣犯として外出が認められると“ボス”から命じられた色々な仕事をこなし、最大の仕事である大ボス殺しの際に細工を弄して絶大な権力を握っていく。
結局若者は程なく刑期を終えて出所するのだが、その日、色々と協力してくれたアラブ人の友人の未亡人と歩いていると、高級車がゆっくり後をついてくる。これが何を意味するかと言えば、服役中に手に入れた力、アラブ人組織から大幹部並みの扱いを受けるに至った成果である。
若者の一種の成長と権勢の推移とを上手く組合わせて描いたお話もなかなか見応えあるが、それを生かすドライで厳しいタッチが良い。しかし、運命を切り開いていく主人公の(予知?)能力との関連でちょっとした幻想場面を入れた為にそれが徹底しきれなかった憾みが残り、パーフェクト・ゲームを逸した。
映画初出演というタハール・ラヒムは好演で、僅かに不満を覚えたとは言え、近年フランス犯罪映画の秀作として記憶されるべき出来映え。
映画は力作でしたが、わが映画評は手抜き。申し訳ありません。
2009年フランス映画 監督ジャック・オーディアール
ネタバレあり
「真夜中のピアニスト」は未だに観られず、その前の「リード・マイ・リップス」ではアイデア倒れの印象を持ったジャック・オーディアール監督としては前述作品よりずっと上出来であろう。
19歳のアラブ系少年タハール・ラヒムが投獄され、アラブ勢力としのぎを削る勢力コルシカ・マフィアの大物幹部ニエル・アレストリュプの手足として働くことで生きにくい刑務所を忍び、模倣犯として外出が認められると“ボス”から命じられた色々な仕事をこなし、最大の仕事である大ボス殺しの際に細工を弄して絶大な権力を握っていく。
結局若者は程なく刑期を終えて出所するのだが、その日、色々と協力してくれたアラブ人の友人の未亡人と歩いていると、高級車がゆっくり後をついてくる。これが何を意味するかと言えば、服役中に手に入れた力、アラブ人組織から大幹部並みの扱いを受けるに至った成果である。
若者の一種の成長と権勢の推移とを上手く組合わせて描いたお話もなかなか見応えあるが、それを生かすドライで厳しいタッチが良い。しかし、運命を切り開いていく主人公の(予知?)能力との関連でちょっとした幻想場面を入れた為にそれが徹底しきれなかった憾みが残り、パーフェクト・ゲームを逸した。
映画初出演というタハール・ラヒムは好演で、僅かに不満を覚えたとは言え、近年フランス犯罪映画の秀作として記憶されるべき出来映え。
映画は力作でしたが、わが映画評は手抜き。申し訳ありません。
この記事へのコメント
預言者・・・というか予知能力を入れないほうがすっきりとまとまった感じがありますな~
フランスの刑事・犯罪映画を見ると、一般人を巻き込んでも良いからとばかりに発砲するシーンが結構多いのがきになった時代があります。
>予知能力
展開上意味があると思いますが、厳しさがちょっと減った感じがしましたね。