映画評「トロール・ハンター」

☆☆★(5点/10点満点中)
2010年ノルウェー映画 監督アンドレ・オブレダル
ネタバレあり

1年前くらいからフェイク・ドキュメンタリーとモキュメンタリーという、本来は同じ意味である二つの用語を使い分けることにした。前者は最近流行りの恐怖映画のような体裁のそれで、後者は本当のドキュメンタリー映画に見せかけた作品、例えば「ドッグ・ショウ」「みんなのうた」「大統領暗殺」のようなものである。
 本作はその中間のような作品で、インタビュー場面も色々と出てくる。ファンタジー隆盛の時代につき日本人にもお馴染みになってきた北欧の妖精(怪物ですな)トロールが主題。

ノルウェー、ハンス(オットー・イェスパーセン)をリーダーとする学生グループが熊の密漁に関する調査の為にインタビューを敢行するうちに、政府に雇われ伝説の怪物トロールを殺すのを仕事としている中年男性ハウガン(ハンス・モルテン・ハンセン)に出会い、彼と行動を共にするうちに幾種類かのトロールに遭遇して大騒動になる。

先般の「ホビット 思いがけない冒険」で紹介されたように、トロールは光に当たると石化したり爆発したりする。ハウガンによると、年寄りトロールは石化するのだそうである。

この手の作品の嚆矢となった「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と似た着想と言って良いと思うが、なかなか上手いのは政府がトロールの存在を必死に隠しているという設定で、トロールがこれまで一般の人に見られていない理由としてきちんと機能している。

ただ、トロールは見た目が割合ユーモラスであるし、ファンタジーでお馴染みであるだけに真面目に作ったコメディーという印象を持たされてしまう。ハンス君らが懸命に行動すればするほどその印象が強められる。最後にはトロールやハンス君が狂犬病にかかってしまう。怖さではなく笑いが醸成される。意図したのなら大したものであるが、如何でありましょうか? 

しかし、題名に“トロール”とあるし、ノルウェー映画ではあるし、ファンタジー映画と思って観始めた僕は、開巻一番で、面白いと思ったことが殆どないフェイク・ドキュメンタリーと判って相当がっかりしたのであるが、「パラノーマル・アクティヴィティ」シリーズに比べるときっちりしたお話があるので【退屈感も中くらいなりおらが秋】くらいで済んだ。

ノルウェー、お前もか。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2013年10月13日 05:40
ねこのひげは、怪獣や妖精系は好きなのでけっこう楽しみましたけどね。
まあ、まさにそこそこではありました。

ノルウェーといえば、村上さん、また逃しましたね。
オカピー
2013年10月13日 16:59
ねこのひげさん、こんにちは。

どちらかと言えば面白い部類でしたが、「またフェイクか」という印象がマイナスになりましたね。
“クローズド・サークル”など、たまに作られれば面白いものが大量生産されるがためにつまらなく感じられてしまうのは損。旬のうちに作っておこうという気持ちも解らなくはないですがねえ。

>村上さん
こうして結局取れなかった人も多いんですよね。川端康成さんも貰ったが故に自殺したとも言えるわけで、人生は難しい。

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