映画評「ネイビーシールズ」
☆☆(4点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督マイク・マッコイ、スコット・ウォー
ネタバレあり
20年くらい前マイケル・シーン主演で「ネイビー・シールズ」という作品があったのでややこしいが、全く関係ない。
米海軍特殊部隊ネイビーシールズが、テロリスト・グループに拉致されたCIAの女性捜査官を救出、その過程でこのグループが全米テロを起こす為に北アフリカからメキシコ経由で弱者を人間兵器に仕立てて送り込もうとしていることが判明、その阻止に活躍する。
「ネイビー・シールズの皆さま、有難うございました」というプロパガンダ映画だが、どうも最大の売りは兵士役が全ての本物の兵士であること、使われた武器・兵器や銃弾が全て本物であることらしい。しかし、そんなことは如何に嘘を本物らしく見せるかが勝負の劇映画において何の価値があろうか。迫真を狙いすぎて映画製作の本末が転倒している。
それは良いとしても、展開が甚だぎこちなく、一向に盛り上がらない。そのぎこちなさの第一要因は捜査官の拉致前の様子やテロリスト・グループの内部事情をシールズの活躍の合間に挟んだことで、展開上意味のないこれらの場面は排除してシールズの面々だけに描写を絞るべきであっただろう。特に、拉致前の捜査官の描写はテロリストとの関連があるにせよ、完全に字余りの描写になっている。ちょっとした感情移入を狙ったのにちがいないが、手際が悪くてすっきりせず、フィクションに実績のない監督お二人には荷が重かった。
本物らしさを追求している狙いと裏腹に、お話と撮影スタイルがまるでジャンル映画のようであるのも、ちぐはぐな印象である。映画らしい映画を求める向きには全くお薦めできない。
ミリタリー・ファンは喜ぶでしょう。
2012年アメリカ映画 監督マイク・マッコイ、スコット・ウォー
ネタバレあり
20年くらい前マイケル・シーン主演で「ネイビー・シールズ」という作品があったのでややこしいが、全く関係ない。
米海軍特殊部隊ネイビーシールズが、テロリスト・グループに拉致されたCIAの女性捜査官を救出、その過程でこのグループが全米テロを起こす為に北アフリカからメキシコ経由で弱者を人間兵器に仕立てて送り込もうとしていることが判明、その阻止に活躍する。
「ネイビー・シールズの皆さま、有難うございました」というプロパガンダ映画だが、どうも最大の売りは兵士役が全ての本物の兵士であること、使われた武器・兵器や銃弾が全て本物であることらしい。しかし、そんなことは如何に嘘を本物らしく見せるかが勝負の劇映画において何の価値があろうか。迫真を狙いすぎて映画製作の本末が転倒している。
それは良いとしても、展開が甚だぎこちなく、一向に盛り上がらない。そのぎこちなさの第一要因は捜査官の拉致前の様子やテロリスト・グループの内部事情をシールズの活躍の合間に挟んだことで、展開上意味のないこれらの場面は排除してシールズの面々だけに描写を絞るべきであっただろう。特に、拉致前の捜査官の描写はテロリストとの関連があるにせよ、完全に字余りの描写になっている。ちょっとした感情移入を狙ったのにちがいないが、手際が悪くてすっきりせず、フィクションに実績のない監督お二人には荷が重かった。
本物らしさを追求している狙いと裏腹に、お話と撮影スタイルがまるでジャンル映画のようであるのも、ちぐはぐな印象である。映画らしい映画を求める向きには全くお薦めできない。
ミリタリー・ファンは喜ぶでしょう。
この記事へのコメント
やっぱり、演技に関してはシロウトですからね~
ぎこちないですね。
リドリー・スコットの『ブラックホーク・ダウン』は迫力ありました。
俳優の演技力と監督の力によるところが大きいでしょうな~
アクションは良かった・・・というよりあれはドキュメントだそうで、作りものでないので、ある意味当たり前。
それをドラマの中に放り込んだ(逆ですか?)手法が新しいと言えば新しく、アクション場面は良かったですがねえ、ドラマ部分がいかんせんダメでした。一応劇映画ですからねえ。
プロパガンダがここまで見え見えの作品ですから、きちんとしたドラマ監督は使えなかったのでしょう^^;