映画評「テッド」
☆★(3点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督セス・マクファーレン
ネタバレあり
大体昔からアメリカ喜劇には日本人に受けないものがあると言われてきたが、それ以上に、個人的にここ最近の下ネタでお笑いを取ろうとする喜劇には生理的に受け付けがたいものがある。本作も二種類の下ネタ(あっちとあっちです)で笑いを取る作戦なり。
1985年のクリスマス、友達のいない8歳の少年の願いが叶って熊の人形であるテッド(声:セス・マクファーレン)が突然話し出す。
二十数年後少年はマーク・ウォールバーグに成長していて下ネタ連発の下品熊と化したテッドと相変わらず一緒にいる一方で、4年間付き合っている恋人ミラ・クニスがいる。女心として、人間のように心もあり話もするとは言え、ぬいぐるみを手放せないことが気に入らない彼女はテッドを巡って喧嘩別れをしてしまう。主人公がテッドと別れて彼女とやり直そうとした矢先にテッドが誘拐される事件が発生、カーチェースの末二人は分断されたテッドを繋ぎ合わせる。果たしてその首尾は・・・。
というお話で、【坊主憎ければ袈裟まで憎い】式に行くと、そもそもぬいぐるみである為どういう状態になると死ぬか解らないから終盤のサスペンス部分に一向にヒヤヒヤさせられない。それに加えて、青年の為にはテッドがいないほうが成長して良いと考えられるので、寧ろ死んだほうがお話として調子が整う。だから蘇生しなくても一向にがっかりしない。
ところが、映画はミラが大人気(おとなげ)を見せてテッドの蘇生を流れ星に願うとそれが実現、そして三人が互いに必要と解りました、なんて下らない解説をつけてジ・エンド。
ディズニーの比較的お上品な「ザ・マペッツ」を徹底して下品に作り直したようなお話だから、実は新味もない。ハリウッドMOR的物語を下ネタでかき回すというひねくれた可笑し味を狙ったにちがいないが、下品な笑いが苦手な僕には苦痛の107分。「フラッシュ・ゴードン」ネタも誠につまらぬ。
ところで、マーク・ウォールバーグの兄ドニー・ウォールバーグが所属しているニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックと因縁のあるティファニーの曲を使ったのはマニアックな楽屋落ちギャグなのだろうか?
本当に楽しむにはアメリカの芸能事情を知っていないと難しいみたい。
2012年アメリカ映画 監督セス・マクファーレン
ネタバレあり
大体昔からアメリカ喜劇には日本人に受けないものがあると言われてきたが、それ以上に、個人的にここ最近の下ネタでお笑いを取ろうとする喜劇には生理的に受け付けがたいものがある。本作も二種類の下ネタ(あっちとあっちです)で笑いを取る作戦なり。
1985年のクリスマス、友達のいない8歳の少年の願いが叶って熊の人形であるテッド(声:セス・マクファーレン)が突然話し出す。
二十数年後少年はマーク・ウォールバーグに成長していて下ネタ連発の下品熊と化したテッドと相変わらず一緒にいる一方で、4年間付き合っている恋人ミラ・クニスがいる。女心として、人間のように心もあり話もするとは言え、ぬいぐるみを手放せないことが気に入らない彼女はテッドを巡って喧嘩別れをしてしまう。主人公がテッドと別れて彼女とやり直そうとした矢先にテッドが誘拐される事件が発生、カーチェースの末二人は分断されたテッドを繋ぎ合わせる。果たしてその首尾は・・・。
というお話で、【坊主憎ければ袈裟まで憎い】式に行くと、そもそもぬいぐるみである為どういう状態になると死ぬか解らないから終盤のサスペンス部分に一向にヒヤヒヤさせられない。それに加えて、青年の為にはテッドがいないほうが成長して良いと考えられるので、寧ろ死んだほうがお話として調子が整う。だから蘇生しなくても一向にがっかりしない。
ところが、映画はミラが大人気(おとなげ)を見せてテッドの蘇生を流れ星に願うとそれが実現、そして三人が互いに必要と解りました、なんて下らない解説をつけてジ・エンド。
ディズニーの比較的お上品な「ザ・マペッツ」を徹底して下品に作り直したようなお話だから、実は新味もない。ハリウッドMOR的物語を下ネタでかき回すというひねくれた可笑し味を狙ったにちがいないが、下品な笑いが苦手な僕には苦痛の107分。「フラッシュ・ゴードン」ネタも誠につまらぬ。
ところで、マーク・ウォールバーグの兄ドニー・ウォールバーグが所属しているニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックと因縁のあるティファニーの曲を使ったのはマニアックな楽屋落ちギャグなのだろうか?
本当に楽しむにはアメリカの芸能事情を知っていないと難しいみたい。
この記事へのコメント
横山のやっさんは、下ネタのお笑いだけはしなかったそうですが・・・・
政治を皮肉ったお笑いというのも無くなりましたね~
書いたはずって自分ブログ内、調べても、
ない。ないはずですわ、憎ったらしくて
記事中に彼の名さえ入れてなかった。(笑)
去年のアカデミー賞司会の彼、ほんと見るも
聞くも無残通り越して立腹するのみ。
下品、お下劣でも、映画には何かしら救いと品が
あってしかるべき。本作の前にその「F・ゴードン」と
やらもしっかり予習。M・F・シドー出てて驚いた位で、
何ですかアレ感想。で、本作。評価高い方々、クマの
ぬいぐるみに目くらましされているとしか思えません。
あのような品なしジョークで笑える下地は
この国に無いと思われ無理して笑うなど愚の骨頂。
個人的にテッドより、幼稚園児のアタマで大人になった
あの主人公のバカさ加減にイライラしっぱなし。(- -)
思い起こせば、お下劣もの
06年「ボラット 栄光ナル・・・(長い題名)」。
あれもひどかったけれど、映画として何とか
成り立っていましたしサシャ・バロン・コーエン
最近はいっぱしの俳優になってきましたし。^^
本文に一度は書いたのですが、この手の笑いは「程度が低い」と言うしかありませんでしょう。色々文句が来そうなので、大分遠慮しました。
>楽屋落ち
ティファニーの曲は変な場面で使われていたので、恐らく、ティファニーを揶揄したお笑いと思います。
全くうんざりしました。笑えたギャグが一つもなかった。
>クマのぬいぐるみに目くらましされているとしか
その通りではないですかね。
若い人はともかく、ある程度年齢の行った方による好評化はそうとした思えません。
ギャップが良いのだそうですが・・・
>あの主人公のバカさ加減
マーク・ウォルバーグは昔から魅力感じない役者No.1で、少しは良くなったかなと思っていましたが、こんな役をやっているとまた昔の嫌悪感が戻りそう。
>「ポラット」
相当おバカで下品な映画ですが、確かに一定の評価を下すことができました。その後の作品は同じようなことの繰り返しだから、評価を下げる一方ですが。