映画評「アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち」
☆☆★(5点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督サム・レヴィンスン
ネタバレあり
バリー・レヴィンスンの息子サム・レヴィンスンが自らの脚本を映画化した家族劇。
エレン・バーキンが先夫トーマス・ヘイデン・チャーチとの間に儲けた長男の結婚式に、現在の夫と、その間に儲けた二人の息子即ち時々自分の怒りを抑えられなくなる病気を抱えるエズラ・ミラーと自閉症の弟を連れて、実家に赴く。実家では認知症の父親ジョージ・ケネディーを抱えた母エレン・バースティンが神経症に陥っている。
長男は先夫と後妻デミ・ムーアが育ててきたが、デミは実の母親であるエレンに気を遣うということが一切なく二人の仲はずっと険悪なまま。先夫との間にできた長女ケイト・ボスワースも自傷癖のあるナイーヴな少女でやっとのことで披露宴に出席、ミラー君も海に出て行方不明、そんなこんなのゴタゴタのうちに車に乗った祖父が木に衝突して死んでしまう。
仲人を頼まれた主人公がその結婚式当日に父親の死に遭遇して大慌てという「お日柄もよくご愁傷様」という邦画があった。こちらも似たようなものだが、一族が集まったところで二つが同時にできるので、ひねくれた見方をすれば実に効率的でしたというお話になっている。
部分的にシニカルなユーモアを漂わす部分もあるのを考えると、それを大いに利用して重苦しい要素を笑い飛ばすくらいの度量があれば面白い作品になったと思う一方で、この一家の問題には脳由来の病気や精神に関するものが多くて余りにセンシティヴにつき本格喜劇的に扱い切れなかったということは一鑑賞者として理解できる。しかし、結果的に、神経症的な嫌な後味だけが残って、どうも好きになれない。
きちんと作っているとは思うが、好調時の父親の域に遠し。
題名を日本語にすれば「またも幸福な一日」といったところか。皮肉も良いところだけど。
2012年アメリカ映画 監督サム・レヴィンスン
ネタバレあり
バリー・レヴィンスンの息子サム・レヴィンスンが自らの脚本を映画化した家族劇。
エレン・バーキンが先夫トーマス・ヘイデン・チャーチとの間に儲けた長男の結婚式に、現在の夫と、その間に儲けた二人の息子即ち時々自分の怒りを抑えられなくなる病気を抱えるエズラ・ミラーと自閉症の弟を連れて、実家に赴く。実家では認知症の父親ジョージ・ケネディーを抱えた母エレン・バースティンが神経症に陥っている。
長男は先夫と後妻デミ・ムーアが育ててきたが、デミは実の母親であるエレンに気を遣うということが一切なく二人の仲はずっと険悪なまま。先夫との間にできた長女ケイト・ボスワースも自傷癖のあるナイーヴな少女でやっとのことで披露宴に出席、ミラー君も海に出て行方不明、そんなこんなのゴタゴタのうちに車に乗った祖父が木に衝突して死んでしまう。
仲人を頼まれた主人公がその結婚式当日に父親の死に遭遇して大慌てという「お日柄もよくご愁傷様」という邦画があった。こちらも似たようなものだが、一族が集まったところで二つが同時にできるので、ひねくれた見方をすれば実に効率的でしたというお話になっている。
部分的にシニカルなユーモアを漂わす部分もあるのを考えると、それを大いに利用して重苦しい要素を笑い飛ばすくらいの度量があれば面白い作品になったと思う一方で、この一家の問題には脳由来の病気や精神に関するものが多くて余りにセンシティヴにつき本格喜劇的に扱い切れなかったということは一鑑賞者として理解できる。しかし、結果的に、神経症的な嫌な後味だけが残って、どうも好きになれない。
きちんと作っているとは思うが、好調時の父親の域に遠し。
題名を日本語にすれば「またも幸福な一日」といったところか。皮肉も良いところだけど。
この記事へのコメント
確かにアメリカの史劇と言えば、殆ど作られることのない独立戦争がらみのものくらいしかなく、南北戦争になるともう西部劇の範疇ですものねえ。