映画評「プリティ・ウーマン」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1990年アメリカ映画 監督ゲイリー・マーシャル
ネタバレあり

本作に関する一番の思い出は、この映画によりロイ・オービソンの名曲「オー・プリティ・ウーマン」がリバイバル・ヒットしたこと。

さて、監督の名前がギャリー・マーシャルなのかゲイリー・マーシャルなのか未だに判然としない。英語の綴りと発音の一般的関係性から言えばGarryはギャリーで、Garyならゲイリーであるが、人名・地名の場合は当てにならないことが多い。一応世間に倣ってゲイリーにしておく。

そのマーシャル監督が監督したロマンティック・コメディー作品はこの後日本では勝手に「プリティ」シリーズとして公開されるなんておまけも付いた。

シンデレラ・ストーリーとの紹介は間違いないが、「シンデレラ」よりどちらかと言えば「マイ・フェア・レディ」(1964年)のヴァリエーションで、花売りならぬ街娼のジュリア・ロバーツがたまたま通りがかった企業買収を専業とする実業家リチャード・ギアに道案内を頼まれたことから、パーティーでの付き合いの為に3000ドルで一週間の期限で雇われることになる。
 着飾られテーブル・マナーを即興で習った彼女は周囲も目を見張るレディに変身、ギアも次第に本気になっていき、ビジネスの為に契約通り一旦は別れていくも、翌日リムジンに乗って彼女のアパートの前に現れる。幕切れは高所恐怖症のギアがジュリアならぬジュリエット相手のロメオよろしく上に登っていき、めでたしめでたし。

最近のアメリカの恋愛コメディーの大半は品が悪くて閉口するが、この頃は娼婦を主役にしても下品に落ちていず、爽やかである。幕切れを別にすると洒脱と言えるほどの場面が多からず、ビリー・ワイルダー辺りならもっと洒落っ気たっぷりに作っただろうなどという思いがするものの、昨今の恋愛映画に比べれば大人向けの映画という後味を残してヨロシイ。

ジュリア・ロバーツは本作と「ノッティングヒルの恋人」(1999年)の演技が大変良かったと思っている。

先日観た「キング・オブ・マンハッタン」(アクセス数から判断する限り考えられないくらい人気薄)が後日談のように感じられないこともない。きっと本作で出来たイメージからギアが起用されたのだろう。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年04月13日 06:20
何度見てもおんわかとする後味の良い映画でありますな~(*^▽^*)
オカピー
2014年04月13日 16:02
ねこのひげさん、こんにちは。

ハリウッド映画もこの辺までだったか、と思いますね。
リアリズムは程度を超えるとつまらなくなるので、こういう嘘っぽいお話をうまく作ってこそプロの映画人なのですが、最近は減りましたねえ。

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