映画評「恋のロンドン狂騒曲」
☆☆★(5点/10点満点中)
2010年アメリカ=スペイン合作映画 監督ウッディー・アレン
ネタバレあり
二年前に観た「ミッドナイト・イン・パリ」の一作前に当たるウッディー・アレン作品。順番が変な具合になってしまったのはともかく、余りにいつも通りの展開、台詞の調子につき新味不足、実話ネタを大量に持ち込んで大いに楽しめた「パリ」には勿論、昨日アップした「ローマでアモーレ」にも大分及ばない。
年齢を意識し始めて俄然頑張り出した70歳くらいのアンソニー・ホプキンズが、40年連れ添ったジェマ・ジョーンズと別れて自称女優のコールガール、ルーシー・パンチと再婚する。彼女の浮気現場を目撃した後子供ができたのを知っても自分の子供であるとも思えなくなる。
ジェマはインチキ占い師に入れ込んだ挙句知り合った心霊マニアの男性を親しくなる。
二人の娘ナオミ・ワッツは、夫ジョシュ・ブローリンが医大出身なのに作家を目指して一発だけ少し当てた為未だに夢を追い求めているのにうんざりし、勤め始めた美術館関係者アントニオ・バンデラスに好意を覚えるが、彼がいつの間にか後輩の懇ろになっているのにがっかり。
ブローリンもナオミと別れて向かいでギターを弾いている美女フリーダ・ピントと良い仲になると同時に、傑作をものした友人が交通事故死したのに乗じて原稿を出版社に持ち込むとこれが好評で先日の「ザ・ワーズ」と同じ状況になりかけるが、作者たる友人が「昏睡しているが死んでいない」と知って大いに焦る。
という親子夫婦四者をめぐる群像劇で、インチキ占いを信じる為他の三人からバカにされていたジェマだけが最終的に一番うまく行きそうな感じになる、という幕切れが皮肉っぽくてちょっと笑えるものの、冒頭で述べたように旧作群の焼き直しを一歩も出ていない印象が強く、僕がアレンに求めるレベルにかなり遠い。これだけ作れば同じようになるのもやむを得ないとは思いますがね。
ただ、アレンのモチーフの一つである死より、「ローマでアモーレ」同様に70代後半に入ったアレンが(本作ではホプキンズに仮託して)老齢そのものをかなり意識している印象が垣間見えるのは、興味深い。
パリやローマに比べると、ロンドンという町自体に対する意識が低いような気がしましたな。
2010年アメリカ=スペイン合作映画 監督ウッディー・アレン
ネタバレあり
二年前に観た「ミッドナイト・イン・パリ」の一作前に当たるウッディー・アレン作品。順番が変な具合になってしまったのはともかく、余りにいつも通りの展開、台詞の調子につき新味不足、実話ネタを大量に持ち込んで大いに楽しめた「パリ」には勿論、昨日アップした「ローマでアモーレ」にも大分及ばない。
年齢を意識し始めて俄然頑張り出した70歳くらいのアンソニー・ホプキンズが、40年連れ添ったジェマ・ジョーンズと別れて自称女優のコールガール、ルーシー・パンチと再婚する。彼女の浮気現場を目撃した後子供ができたのを知っても自分の子供であるとも思えなくなる。
ジェマはインチキ占い師に入れ込んだ挙句知り合った心霊マニアの男性を親しくなる。
二人の娘ナオミ・ワッツは、夫ジョシュ・ブローリンが医大出身なのに作家を目指して一発だけ少し当てた為未だに夢を追い求めているのにうんざりし、勤め始めた美術館関係者アントニオ・バンデラスに好意を覚えるが、彼がいつの間にか後輩の懇ろになっているのにがっかり。
ブローリンもナオミと別れて向かいでギターを弾いている美女フリーダ・ピントと良い仲になると同時に、傑作をものした友人が交通事故死したのに乗じて原稿を出版社に持ち込むとこれが好評で先日の「ザ・ワーズ」と同じ状況になりかけるが、作者たる友人が「昏睡しているが死んでいない」と知って大いに焦る。
という親子夫婦四者をめぐる群像劇で、インチキ占いを信じる為他の三人からバカにされていたジェマだけが最終的に一番うまく行きそうな感じになる、という幕切れが皮肉っぽくてちょっと笑えるものの、冒頭で述べたように旧作群の焼き直しを一歩も出ていない印象が強く、僕がアレンに求めるレベルにかなり遠い。これだけ作れば同じようになるのもやむを得ないとは思いますがね。
ただ、アレンのモチーフの一つである死より、「ローマでアモーレ」同様に70代後半に入ったアレンが(本作ではホプキンズに仮託して)老齢そのものをかなり意識している印象が垣間見えるのは、興味深い。
パリやローマに比べると、ロンドンという町自体に対する意識が低いような気がしましたな。
この記事へのコメント
いつものアレン流だから、そういうつもりで観ていればそこそこ観ていられますが、続けて観たせいもあってちょっと飽きました^^;