映画評「エンド・オブ・ホワイトハウス」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督アントワーン・フークア
ネタバレあり
一言で言えば、「ダイ・ハード」(1988年)の舞台をホワイトハウスに変えたようなお話である。
パーティー会場へ向かう大統領車の事故で大統領アーロン・エッカートの夫人アシュリー・ジャッドを助けられなかったシークレット・サーヴィス、ジェラード・バトラーが干されるエピソードの後、いよいよその二年後に起きる本番に入る。
韓国首相が訪れた直後、飛行機による攻撃があり、次に地上部隊の奇襲を受けて、ホワイトハウスが占拠されてしまう。首相の取り巻きは勿論、アメリカ側にも裏切り者がいる。ここで活躍するのがテロリストの想定していない人物、干されていたバトラーである。
本作は大衆的なポリティカル・サスペンス映画であるから、最初のエピソードは専らこのシチュエーションを作り出す為に置かれているわけで、彼の心理面などさして重要ではない。
その後は「ダイ・ハード」と大して変わらず、主人公がテロリストと連絡を取りながら事件解決の為に奮闘するアクション場面が賑やかに繰り広げられる。
テロ映画は少なくないが、ここまで国家寄り(テロリスト・リーダーの出自は韓国であるものの、思想ベースは北朝鮮にある。さすがに北朝鮮による国家主導のテロとはしていないが、印象的には大して変わらない)の作品は案外珍しいから一応の新味と考えられなくはないし、ホワイトハウスへの攻撃はセンセーショナルではある。しかるに、骨幹が強力無比の「ダイ・ハード」に似ている為に実際には新味不足の感が否めない。
三つ揃わねば意味のないはずのコードの扱いなど疑問も多々あるが、近年のスペクタクルとしては迫力のある部類であるし、程々楽しめる。ただ、北朝鮮を出したものの、バトラーが細君に電話を掛ける大して意味のない場面など、9・11への思いが透けて見えすぎる部分があるのは良し悪し。
捕縛された大統領の代わりに指揮を執るのが下院議長のモーガン・フリーマン。パニック映画「ディープ・インパクト」(1998年)で大統領もやったことのある彼ですからお茶の子でしょう。
「ダイ・ハード」から26年、「ディープ・インパクト」から16年。早いものですなあ。16年後はともかく、26年後はお墓の下でしょうなあ。
2013年アメリカ映画 監督アントワーン・フークア
ネタバレあり
一言で言えば、「ダイ・ハード」(1988年)の舞台をホワイトハウスに変えたようなお話である。
パーティー会場へ向かう大統領車の事故で大統領アーロン・エッカートの夫人アシュリー・ジャッドを助けられなかったシークレット・サーヴィス、ジェラード・バトラーが干されるエピソードの後、いよいよその二年後に起きる本番に入る。
韓国首相が訪れた直後、飛行機による攻撃があり、次に地上部隊の奇襲を受けて、ホワイトハウスが占拠されてしまう。首相の取り巻きは勿論、アメリカ側にも裏切り者がいる。ここで活躍するのがテロリストの想定していない人物、干されていたバトラーである。
本作は大衆的なポリティカル・サスペンス映画であるから、最初のエピソードは専らこのシチュエーションを作り出す為に置かれているわけで、彼の心理面などさして重要ではない。
その後は「ダイ・ハード」と大して変わらず、主人公がテロリストと連絡を取りながら事件解決の為に奮闘するアクション場面が賑やかに繰り広げられる。
テロ映画は少なくないが、ここまで国家寄り(テロリスト・リーダーの出自は韓国であるものの、思想ベースは北朝鮮にある。さすがに北朝鮮による国家主導のテロとはしていないが、印象的には大して変わらない)の作品は案外珍しいから一応の新味と考えられなくはないし、ホワイトハウスへの攻撃はセンセーショナルではある。しかるに、骨幹が強力無比の「ダイ・ハード」に似ている為に実際には新味不足の感が否めない。
三つ揃わねば意味のないはずのコードの扱いなど疑問も多々あるが、近年のスペクタクルとしては迫力のある部類であるし、程々楽しめる。ただ、北朝鮮を出したものの、バトラーが細君に電話を掛ける大して意味のない場面など、9・11への思いが透けて見えすぎる部分があるのは良し悪し。
捕縛された大統領の代わりに指揮を執るのが下院議長のモーガン・フリーマン。パニック映画「ディープ・インパクト」(1998年)で大統領もやったことのある彼ですからお茶の子でしょう。
「ダイ・ハード」から26年、「ディープ・インパクト」から16年。早いものですなあ。16年後はともかく、26年後はお墓の下でしょうなあ。
この記事へのコメント
『ダイ・ハード』の一作目は好きでありましたね。
足の裏にガラスが突き刺さるところなんか本当にいたそうで・・・
ああいった細かい演出がリアル感を出すんでしょうな~
大事なところでありましょう。
16年後は、おおおおーーー!80歳っとな!!
元気そうに見えるだけであってその実、病気の
デパート人間ですのでまんずそこまでは無理。(^ ^)
まかりまちがって生きてても病院のベッドの上で
あっという間に盛大にボケてますよ。(笑)
本作、そこそこ楽しめましたです、私は。
で、
WOWOWで例の(笑)「ローラーボール」
観ました。私としてはかなり忍耐して。(- -)^^
あれだけバランス悪い映画も久しぶり。
免許とり立てドライバーのクルマに
乗せてもらっているみたい。安心して
観ていられないじゃないですか~
生死にかかわる悪運は全て使い果たしているので、今度何かあったらお陀仏かなとも思っていますが、果たして・・・という感じ。
長生きしても生きられるだけの金があるかどうか? 問題ですなあ。
誰か、映画ファンをただで食わしてくれる老人ホームを作ってください。
「ダイ・ハード」は面白かったですなあ。「真昼の決闘」をうまくもじった設定でもあり、なおさら良かった。
「ダイ・ハード2」もいけましたね。
うちの家系は、両親から三代遡って一人もボケた人がいないので、遺伝的にはボケる可能性は限りなく低いですし、いつでも頭を使っているからボケない(兄の言)と信じていますが、これも生死と同じく全く解りません。
>「ローラーボール」
新旧どちらもつまらず、特にリメイクは限りなくお粗末でした。あの時はまだ映画啓蒙に燃えていて、元気があってこちとらも頑張りましたよ。
懐かしいと言えば懐かしい。