映画評「僕が星になるまえに」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2010年イギリス映画 監督ハッティー・ダルトン
ネタバレあり
29歳の青年ベネディクト・カンバーバッチは末期ガンで、死ぬ前に大好きなウェールズのバラファンドル湾に行く考えを抱く。実行に移してくれるのは、同世代の知人・友人のJJ・フィールド、トム・バーク、アダム・ロバートスンで、途中まではカートに乗せて行くが、とんでもない山道で苦労したり、カートが海に落ちて担いだりする。
その間、カンバーバッチが様々な感情を見せるのは勿論、他の三人もそれぞれの胸の裡を吐露し始め、最後に自死する意志を示した主人公に対し対応に苦しむ。
法律的には、自死を止めないことも自殺ほう助といった罪になるのかもしれないが、そういう技術的なことを別にして、苦しむ友を尊厳を持たせて逝かせたいという思いとやはり友人として死なせるわけには行かないという思いとの相克に苛まれるのは人情で、しみじみとした余韻を残す。
残る三人の様子を観ながら僕が考えていたのは、各人の死に対する恐怖若しくは苦しみと、不安を抱えて生きていく恐怖若しくは苦しみの不等号の方向が、どう生きるかまたはどう死ぬかを決めるのではないか、ということだ。少なくとも、残された三人が死んだ主人公より幸福かどうかなど誰も断定できはしない。
死病を扱いながら安易なお涙頂戴映画にしていないのが良く、四人の言動もすこぶる実感を伴っていて感心させられた。日本映画はともかく、ドラマ映画を観るファンが進歩しているのか、死病をお涙頂戴に利用しない洋画が増えているのは良いことと言うべし。
好演のカンバーバッチは日本ではTVの「SHERLOCK(シャーロック)」のホームズ役で予めお馴染みになっていたようだが、僕は観ていず、初めてのお目見えとなる。意外にも、役のせいもあって非常に地味な印象。二日後に観る予定の「スター・トレック イントゥ・ダークネス」に出演しているようなので、楽しみだ。
また「僕」ですか。
2010年イギリス映画 監督ハッティー・ダルトン
ネタバレあり
29歳の青年ベネディクト・カンバーバッチは末期ガンで、死ぬ前に大好きなウェールズのバラファンドル湾に行く考えを抱く。実行に移してくれるのは、同世代の知人・友人のJJ・フィールド、トム・バーク、アダム・ロバートスンで、途中まではカートに乗せて行くが、とんでもない山道で苦労したり、カートが海に落ちて担いだりする。
その間、カンバーバッチが様々な感情を見せるのは勿論、他の三人もそれぞれの胸の裡を吐露し始め、最後に自死する意志を示した主人公に対し対応に苦しむ。
法律的には、自死を止めないことも自殺ほう助といった罪になるのかもしれないが、そういう技術的なことを別にして、苦しむ友を尊厳を持たせて逝かせたいという思いとやはり友人として死なせるわけには行かないという思いとの相克に苛まれるのは人情で、しみじみとした余韻を残す。
残る三人の様子を観ながら僕が考えていたのは、各人の死に対する恐怖若しくは苦しみと、不安を抱えて生きていく恐怖若しくは苦しみの不等号の方向が、どう生きるかまたはどう死ぬかを決めるのではないか、ということだ。少なくとも、残された三人が死んだ主人公より幸福かどうかなど誰も断定できはしない。
死病を扱いながら安易なお涙頂戴映画にしていないのが良く、四人の言動もすこぶる実感を伴っていて感心させられた。日本映画はともかく、ドラマ映画を観るファンが進歩しているのか、死病をお涙頂戴に利用しない洋画が増えているのは良いことと言うべし。
好演のカンバーバッチは日本ではTVの「SHERLOCK(シャーロック)」のホームズ役で予めお馴染みになっていたようだが、僕は観ていず、初めてのお目見えとなる。意外にも、役のせいもあって非常に地味な印象。二日後に観る予定の「スター・トレック イントゥ・ダークネス」に出演しているようなので、楽しみだ。
また「僕」ですか。
この記事へのコメント
地味な役者がやるとリアル感が増します。
ホームズさん、見ておくべきだったなあ^^
見て損はないだろうと思っていたのですが、無精を決め込んでおりまして・・・