映画評「ムービー43」

★(1点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督スティーヴ・ブリル、ピーター・ファレリー、ウィル・グレアム、スティーヴ・カー、グリフィン・ダン、ジェームズ・ダフィ、ジョナサン・ヴァン・タルケン、エリザベス・バンクス、パトリック・フォーシュベリ、ブレット・ラトナー、ラスティ・カンデック、ジェームズ・ガン
ネタバレなし

一度タガが外れると人間はこうなるという見本のような作品。僅か半世紀前までヘイズ・コードによりシンプルな裸もご法度という時代があったのが信じられないアメリカ映画界の壊れぶりと言うしかない。

売れない脚本家のデニス・クェイドが製作会社のグレッグ・キニアに企画を持ち込み、そのお話が画面で展開するというオムニバス形式による究極のお下劣コメディーだが、下ネタでは全く笑えない僕には可笑しくも何ともなかった。

余りに程度が低いので逆に不愉快にもならないものの、男優陣ではヒュー・ジャックマン、リチャード・ギア、ジェラード・バトラー、テレンス・ハワード、女優陣ではケイト・ウィンスレット、ナオミ・ワッツ、ハリー・ベリー、クロエ・グレース・モレッツ、ユマ・サーマンといった豪華な顔ぶれがよく出演したなと苦笑が洩れる。

監督では企画したというピーター・ファレリー、グリフィン・ダン、ブレット・ラトナーが知っている程度で、出演もしているエリザベス・バンクスが監督デビューを果たしたそうな。

“43”が何を指すのか全く解らない。誰か解る人、いらっしゃいませんか? 43歳以上はご覧にならないでください、ということではないでしょうな。

この記事へのコメント

vivajiji
2014年08月19日 15:29
いやはやこれはお下劣さが臭うが如き作品でした。
ナオミ・ワッツの出た話あたりでさっさと退場。
ジャックマンもウィンスレットもなりきって
お演じになればなるほど観てる側はだんだん
腹が立って参りまして・・・・(- -)
これからみると「テッド」なんて
可愛いもんですってば。(笑)
オカピー
2014年08月19日 19:27
佐藤秀さん、こんにちは。

早速の情報、有難うございました。
アメリカの刑法43条が公然わいせつ罪を謳っているのですね。
それなら意味が通ります。
オカピー
2014年08月19日 19:37
vivajijiさん、こんにちは。

よく言えば、あちらの有名人さんの中には冗談が解る人もいらっしゃるということになりますが、一本で何千万ドルも稼ぐ方々がよくお出になったという感に尽きました。この映画ではその何十分の一かの出演料で契約したのでしょうけど。

金を出して観たら腹が立つでしょうね。
当方にしても厳密には僅かな金を払っているわけですが、これに幾らか払っているわけではないので、苦笑いで済みました^^;

>「テッド」
確かに。
ねこのひげ
2014年08月24日 07:02
好意的に観ればでありますが、刑法43条に対する皮肉として作った映画と取れないこともない・・・・・それで有名な俳優たちも出たのではないかと・・・・
どちらにしろ酷い映画でありますが・・・・(≧◇≦)

体制者と大衆の戦いという意味では、浮世絵もそうでしたね。
華美に過ぎるというので禁止されたりしましたが、それでも法の網を潜るようにして作品が出されました。
写楽の作品なんかそうでしたが、写楽は実在しなくて、当時の歌麿などの有名な浮世絵師数名が集まって、あの大首絵を作ったという説もあります。
オカピー
2014年08月24日 21:08
ねこのひげさん、こんにちは。

深読みすればできないこともないですが、これまでの作品を見てもピーター・ファレリーがそこまで考えているとも思えないわけでして(笑)
刑法43条を意識していることが解っただけでも収穫かな^^;

江戸時代の戯作なんかも色々取り沙汰されて山東京伝のように手鎖に処されたケースもあります。
浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」も時代背景を室町時代に移して、体制風刺と思われない努力をしていましたよね。勿論後年江戸時代に戻して劇化・映画化されてきたわけですが。

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