映画評「ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日」

☆(2点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ
ネタバレあり

最近のアメリカ喜劇は品がなく、かつ、全く笑えないものが多い為、なるべく見ないようにしている。本作は、俳優が本人役で出ている終末論映画のようなので興味を覚えて観たのだが、何と未公開! しかも全く可笑しくない。
 ジェームズ・フランコの名前が一番前にあったのにだまされた。純コメディアンでないのだからこんな映画に主演しないでよ。セス・ローゲンの名前が俳優として前面に出ていたら観なかったのになあ。

愚痴を言っても始まらないので、お話に参りましょう。
 ローゲンが親しいジェイ・バルシェルとLAで再会、フランコのパーティーに参加するが、その際に宇宙人か悪魔かの攻撃による惨劇が起こった為、一緒に居合わせたジョナ・ヒル、クレイグ・ロビンスン、ダニー・マクブライドと部屋に閉じこもり、生き残りの手段を模索する。

彼らが部屋に閉じこもっている間の珍奇な大騒ぎが眼目らしいが、例によって笑いとしては最も下位に位置する下ネタが大量に使われていて、うんざりさせられる。その間にスプラッター・ホラー、宇宙人来襲もののSF、オカルト・ホラーなどのパロディー的場面が繰り広げられるわけだが、シチュエーションの可笑しさなど知恵をめぐらしたと思われる箇所は皆無。

キャストが全員本人役で出演しているのがパロディーのヴァリエーションとして一番興味をそそるとは言え、面白いのはエマ・ワトスン嬢の箇所くらいなもので、後は僕にはよく理解できない楽屋落ち的な笑いに推移、日本人にはちと辛いものがある。だから、IMDbで24万人も投票している大人気作なのに日本ではお蔵入り(劇場未公開)になったのだろう。観た人の間で比較的好評なのは、この手の作品が好きな方が確率的に多く観ているからに違いない。

WOWOWはパンフレットに劇場未公開の印をつけて欲しいです。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年12月14日 09:55
先日、ラジオを聴いていたら女優の鈴木砂羽さんが出ていて、年間で200作くらいの映画がお蔵入りになっているそうで、彼女の主演作品である『しあわせカモン』もお蔵入りだったそうで、マネジャーが見つけてきた尾道で行われた『お蔵出し映画祭』でグランプリを取った後にヒットしたそうであります。

まあ、この映画は・・・なんともいやはや・・・・
オカピー
2014年12月14日 18:18
ねこのひげさん、こんにちは。

昔はお藏入りと言えば、洋画の日本劇場公開が見送られることを指しましたが、近年は日本映画でもあるんですねえ。

>グランプリを取った後に
公開を見送った人たちの見る目がなかったということでしょうか(笑)

下品だから悪いわけではなく、面白くないのが問題。40年前のフランス映画「最後の晩餐」なんて下品の極北でしたが、抜群の面白さでしたものね。

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