映画評「グリフィン家のウェディングノート」
☆☆(4点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督ジャスティン・ザッカム
ネタバレあり
21世紀に入ってからのアメリカ喜劇は、若者向けも大人向けも、下ネタのオンパレードでうんざり。若者向けと違って汚い方がない分まだましだが、それでもげろネタあり。優れた喜劇の多かったアメリカ映画も落ちたものでござる。しかも、本作、実は2006年に作られたフランス映画のリメイク。フランス映画を数年後にリメイクするハリウッド映画界の懲りない悪弊はまだ収まっていないらしい。
ロバート・デニーロが前妻ダイアン・キートンとの間に長男、長女を儲けた後訳ありでコロンビアから貰った養子の次男ベン・バーンズが、アマンダ・セイフライドと結婚することになる。デニーロは現在スーザン・サランドンと内縁関係を結んでいるが、結婚式にコロンビアから彼の実母パトリシア・レイが参列すると知って一同大慌て。
というのも、実母が古い結婚観を持つ熱心なカトリック信者であるからで、デニーロとダイアンは仲の良い夫婦を演じる羽目になり、これが一時退避のスーザンとしては面白くない。
一方、長男トファー・グレイスは30近くにもなって童貞で、コロンビアから母と一緒にやって来た奔放な“妹”アナ・アヨラに参ってしまう。また、長女キャサリン・ハイグルは子供が出来ないことで夫と喧嘩別れしてきたばかりだが、実は妊娠している。
長いこと離婚を認めて来なかったカトリックの信者たる実母の為につく嘘をお笑いの肝としたドタバタの一幕で、そこに長男の恋愛騒動や長女の離別騒動を加えて賑やかに展開しているわけだが、例によって下ネタに頼り過ぎて一向に可笑しくない。そもそも夫婦が三番目の子供に養子を貰った理由に説得力が乏しい為に婿殿の三人の母親が鉢合わせするというシチュエーション的に肝となるべき部分が盛り上がらず、最後までシチュエーション・コメディーで大事な要素である“嘘”に大した意味が出ず終い、誠にガッカリさせられる。こういうところがしっかりすれば下ネタに頼らずとも面白い作品が作れるのだが全くダメですな。
この程度の内容をリメイクでなければ発掘できないとは誠に情けない。天国からエルンスト・ルビッチやビリー・ワイルダーを呼んで来たくなる。
「ゴッドファーザー」コンビを筆頭にこれだけの顔を揃えながら下ネタ頼りとは。
2013年アメリカ映画 監督ジャスティン・ザッカム
ネタバレあり
21世紀に入ってからのアメリカ喜劇は、若者向けも大人向けも、下ネタのオンパレードでうんざり。若者向けと違って汚い方がない分まだましだが、それでもげろネタあり。優れた喜劇の多かったアメリカ映画も落ちたものでござる。しかも、本作、実は2006年に作られたフランス映画のリメイク。フランス映画を数年後にリメイクするハリウッド映画界の懲りない悪弊はまだ収まっていないらしい。
ロバート・デニーロが前妻ダイアン・キートンとの間に長男、長女を儲けた後訳ありでコロンビアから貰った養子の次男ベン・バーンズが、アマンダ・セイフライドと結婚することになる。デニーロは現在スーザン・サランドンと内縁関係を結んでいるが、結婚式にコロンビアから彼の実母パトリシア・レイが参列すると知って一同大慌て。
というのも、実母が古い結婚観を持つ熱心なカトリック信者であるからで、デニーロとダイアンは仲の良い夫婦を演じる羽目になり、これが一時退避のスーザンとしては面白くない。
一方、長男トファー・グレイスは30近くにもなって童貞で、コロンビアから母と一緒にやって来た奔放な“妹”アナ・アヨラに参ってしまう。また、長女キャサリン・ハイグルは子供が出来ないことで夫と喧嘩別れしてきたばかりだが、実は妊娠している。
長いこと離婚を認めて来なかったカトリックの信者たる実母の為につく嘘をお笑いの肝としたドタバタの一幕で、そこに長男の恋愛騒動や長女の離別騒動を加えて賑やかに展開しているわけだが、例によって下ネタに頼り過ぎて一向に可笑しくない。そもそも夫婦が三番目の子供に養子を貰った理由に説得力が乏しい為に婿殿の三人の母親が鉢合わせするというシチュエーション的に肝となるべき部分が盛り上がらず、最後までシチュエーション・コメディーで大事な要素である“嘘”に大した意味が出ず終い、誠にガッカリさせられる。こういうところがしっかりすれば下ネタに頼らずとも面白い作品が作れるのだが全くダメですな。
この程度の内容をリメイクでなければ発掘できないとは誠に情けない。天国からエルンスト・ルビッチやビリー・ワイルダーを呼んで来たくなる。
「ゴッドファーザー」コンビを筆頭にこれだけの顔を揃えながら下ネタ頼りとは。
この記事へのコメント
さもありなん。
昔と違って、アマチュア投資家が増えたということですね。
経済を優先すると、全てがダメになりますか・・・
そういえば「ゴッドファーザー」!
たいしたことなかったですねえ。
>リメイク
IMDbを調べると、そうなっていますね。
日本の映画サイトは調査不足で、その辺に全く触れられていません。
>そういえば「ゴッドファーザー」!
そうなんですよ。
あちらの大物さんは度量が大きいから、こんなピンク・コメディー未満の変な作品にも出るんですねえ^^;