映画評「セブン・サイコパス」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年イギリス映画 監督マーティン・マクドナー
ネタバレあり
コリン・ファレル扮する脚本家は「セブン・サイコパス(7人の異常者)」というタイトルの映画脚本を書き始めたものの一行に筆が進まない。それを知った友人の俳優サム・ロックウェルは、サイコパス募集の新聞広告を出すなど協力してくれるが、他方自分で拉致した犬を発見したと称して買主に戻すことで小銭を稼いでいる詐欺老人クリストファー・ウォーケンの相棒として犬の拉致も生業としていて、うっかり凶暴ギャングのウッディー・ハレルスンの愛犬を拉致したことから殺し合いに発展、脚本を進めたかっただけのファレルが思わぬ形で血生臭い事件に巻き込まれてしまう。
実際にはもう少しクエンティン・タランティーノ風に入り組んでいるものの、簡単に書くとこんなお話。
ちょっとした入れ子構造で、最初脚本の中の(半ば)空想と思われたギャングの殺し屋がサイコパスに殺される挿話や、娘を殺された男が反省した犯人を自殺した後まで追いかけるという挿話がロックウェルやウォーケンの実際に絡んだ実話と判明するかと思えば、一方で広告により現れたシリアルキラー(連続殺人魔)専門の殺人鬼トム・ウェイツを含め「セブン・サイコパス」に関係する全員が彼らの思うままに空想の中で活躍するといった場面が加えられて、虚実が二重に交錯する形で展開するひねりが一応の興味を喚起する為☆は少なくないが、コーエン兄弟やタランティーノの出現以降この手の構成やアイデアは出し尽くされた感があるのでさほど新味を覚えない。
自らの脚本を映像化したアイルランドの監督マーティン・マクドナーはきっとタランティーノ流を目指したのだろうが、もう少し英国映画らしい味が欲しかった。
「地獄でなぜ悪い」と「猫侍」と「二流小説家 シリアリスト」を足して三で割ったような作品だなあ。こちらのほうが古いけど。
2012年イギリス映画 監督マーティン・マクドナー
ネタバレあり
コリン・ファレル扮する脚本家は「セブン・サイコパス(7人の異常者)」というタイトルの映画脚本を書き始めたものの一行に筆が進まない。それを知った友人の俳優サム・ロックウェルは、サイコパス募集の新聞広告を出すなど協力してくれるが、他方自分で拉致した犬を発見したと称して買主に戻すことで小銭を稼いでいる詐欺老人クリストファー・ウォーケンの相棒として犬の拉致も生業としていて、うっかり凶暴ギャングのウッディー・ハレルスンの愛犬を拉致したことから殺し合いに発展、脚本を進めたかっただけのファレルが思わぬ形で血生臭い事件に巻き込まれてしまう。
実際にはもう少しクエンティン・タランティーノ風に入り組んでいるものの、簡単に書くとこんなお話。
ちょっとした入れ子構造で、最初脚本の中の(半ば)空想と思われたギャングの殺し屋がサイコパスに殺される挿話や、娘を殺された男が反省した犯人を自殺した後まで追いかけるという挿話がロックウェルやウォーケンの実際に絡んだ実話と判明するかと思えば、一方で広告により現れたシリアルキラー(連続殺人魔)専門の殺人鬼トム・ウェイツを含め「セブン・サイコパス」に関係する全員が彼らの思うままに空想の中で活躍するといった場面が加えられて、虚実が二重に交錯する形で展開するひねりが一応の興味を喚起する為☆は少なくないが、コーエン兄弟やタランティーノの出現以降この手の構成やアイデアは出し尽くされた感があるのでさほど新味を覚えない。
自らの脚本を映像化したアイルランドの監督マーティン・マクドナーはきっとタランティーノ流を目指したのだろうが、もう少し英国映画らしい味が欲しかった。
「地獄でなぜ悪い」と「猫侍」と「二流小説家 シリアリスト」を足して三で割ったような作品だなあ。こちらのほうが古いけど。
この記事へのコメント
どうも狙いはブラック・ユーモアだったようです。