映画評「セインツ-約束の果て-」
☆☆★(5点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督デーヴィッド・ロウリー
ネタバレあり
テレンス・マリックの監督デビュー作「地獄の逃避行」(1973年)と第二作「天国の日々」(1978年)を合わせたような内容の犯罪ドラマで、1970年代を背景にした作品ムードからは現代西部劇と言いたくなるものがある。監督は二作目というデーヴィッド・ロウリーで、この一本だけでは何とも言えない。
裏街道で仕事をしてきた御大キース・キャラダインが育てた三人の若い男女がこれを最後に足を洗うと決めた強盗でしくじって、官憲に撃たれて一人が死亡する。紅一点ルーニー・マーラが反撃して若い保安官ベン・フォスターに命中すると、彼女を愛するケイシー・アフレックは彼女は自分たちに巻き込まれただけと言って彼女を無罪になるように仕向け、自分は服役する。
4年後一人娘を静かに懸命に育てている彼女の許に、彼女を秘かに思慕するフォスターが現れアフレックが脱走したことを告げる。彼女は会わない方が恋人にとって得策と思い、どこかに逃げる機会を伺う。キャラダインは現れたアフレックにルーニーに会おうとすればひどい目に遭わせると言って彼を突き放す。
が、結局御大の手配により若者は重傷を負い、彼女の家にやって来て臨終の身を横たえる。
犯罪カップルの逃避行を描いた作品としてはマリックのデビュー作以外にも傑作「俺たちに明日はない」(1967年)「ボウイ&キーチ」(1974年)と注目すべき作品が少なくないが、映画ムード的にはそれらの作品に伍するものがあると思う。が、ムード醸成の一環である気配が濃厚とは言え、どうもお話の進め方が気取り過ぎて一人合点のところが多く、行間を読ませるというよりは不親切なところが目立つ。少なくとも同じように素晴らしい詩情を放っていた「天国の日々」の完成度に及ばない。残念でしたネ。
犯罪者にも五分の魂だよ。
2013年アメリカ映画 監督デーヴィッド・ロウリー
ネタバレあり
テレンス・マリックの監督デビュー作「地獄の逃避行」(1973年)と第二作「天国の日々」(1978年)を合わせたような内容の犯罪ドラマで、1970年代を背景にした作品ムードからは現代西部劇と言いたくなるものがある。監督は二作目というデーヴィッド・ロウリーで、この一本だけでは何とも言えない。
裏街道で仕事をしてきた御大キース・キャラダインが育てた三人の若い男女がこれを最後に足を洗うと決めた強盗でしくじって、官憲に撃たれて一人が死亡する。紅一点ルーニー・マーラが反撃して若い保安官ベン・フォスターに命中すると、彼女を愛するケイシー・アフレックは彼女は自分たちに巻き込まれただけと言って彼女を無罪になるように仕向け、自分は服役する。
4年後一人娘を静かに懸命に育てている彼女の許に、彼女を秘かに思慕するフォスターが現れアフレックが脱走したことを告げる。彼女は会わない方が恋人にとって得策と思い、どこかに逃げる機会を伺う。キャラダインは現れたアフレックにルーニーに会おうとすればひどい目に遭わせると言って彼を突き放す。
が、結局御大の手配により若者は重傷を負い、彼女の家にやって来て臨終の身を横たえる。
犯罪カップルの逃避行を描いた作品としてはマリックのデビュー作以外にも傑作「俺たちに明日はない」(1967年)「ボウイ&キーチ」(1974年)と注目すべき作品が少なくないが、映画ムード的にはそれらの作品に伍するものがあると思う。が、ムード醸成の一環である気配が濃厚とは言え、どうもお話の進め方が気取り過ぎて一人合点のところが多く、行間を読ませるというよりは不親切なところが目立つ。少なくとも同じように素晴らしい詩情を放っていた「天国の日々」の完成度に及ばない。残念でしたネ。
犯罪者にも五分の魂だよ。
この記事へのコメント
微妙なところで崩れたり完成したりしますな~
高倉健さんの『網走番外地』は、それまでの健さんの作品が当たっていなかったので、カラーで作るところが低予算の白黒作品になったそうです。
それが大当たりしてシリーズ化されるんですからね~
本作の弱点に関しては僕のちょっとした意見ですが。
ほんのちょっとしたことで傑作になったり、凡作になったりというケースが多いと思いますね。
だから、僕は安易に物凄い駄作とか傑作という評価は下さないのですよ。
>『網走番外地』
予算がないからお話がシンプルになったという面もあるのじゃないですかね。
きりりと締まって、白黒で良かったと思いますよ。