映画評「96時間/レクイエム」
☆☆★(5点/10点満点中)
2014年フランス映画 監督オリヴィエ・メガトン
ネタバレあり
それまでアクションとは縁のなかった男優リーアム・ニースンを起用して大評判を呼んだシリーズの第3作。映画人は嘘つきが多いから何とも言えないが、これが最終作となるらしい。
元CIA工作員ニースンが、前妻ファムケ・ヤンセンの再婚相手ダグリー・スコットから「妻と会わないでほしい」とくぎを刺された後、死体となった彼女を自宅に発見して悲しみに暮れる間もなく警官がやってきた為逃走する。
以降刑事フォレスト・ウィテカー指揮する警察の追及をかわしながら真犯人を突き止める、という【追われながらの犯人探し】の典型的展開で、比較的最近の作品ではハリスン・フォード主演の映画版「逃亡者」(1993年)と全く同じ構図であるが、そこに大学生となった娘マギー・グレースを守る趣向を加えて辛うじてこのシリーズらしさを打ち出した形。チャールズ・ブロンスンが妻を殺し娘を廃人に追い込んだ犯人を探し復讐する「狼よさらば」(1973年)にも似通っている。
といった次第で、新味はなくストーリーは凡庸と言わざるを得ない。主人公が元CIA工作員につき神出鬼没だったり、様々な工作ぶりがお楽しみとなるが、じっくり見せてくれないので楽しんでいる暇がないのは良し悪し。死体安置所に入ってファムケの死体からGPS情報を盗む場面などは、どうやって潜入したかさえ解らない。テンポが速ければ面白くなるとは限らない例証である。
それにしても、第2作から、第1作でしっかりした進行ぶりを見せたピエール・モレルから落ち着きのないオリヴィエ・メガトンに監督を変えたのが不思議でならない。カット割りが細かすぎて訳の分からない部分が多く、いつもうんざりさせられるのだ。
場面転換の為に挿入されるアメリカ的演出の極致である空撮ショットも全くおざなりで「勘弁してくれ」という気分になる。もっとフランス流もあるだろうに。
演出のひどさはメガトン級。
2014年フランス映画 監督オリヴィエ・メガトン
ネタバレあり
それまでアクションとは縁のなかった男優リーアム・ニースンを起用して大評判を呼んだシリーズの第3作。映画人は嘘つきが多いから何とも言えないが、これが最終作となるらしい。
元CIA工作員ニースンが、前妻ファムケ・ヤンセンの再婚相手ダグリー・スコットから「妻と会わないでほしい」とくぎを刺された後、死体となった彼女を自宅に発見して悲しみに暮れる間もなく警官がやってきた為逃走する。
以降刑事フォレスト・ウィテカー指揮する警察の追及をかわしながら真犯人を突き止める、という【追われながらの犯人探し】の典型的展開で、比較的最近の作品ではハリスン・フォード主演の映画版「逃亡者」(1993年)と全く同じ構図であるが、そこに大学生となった娘マギー・グレースを守る趣向を加えて辛うじてこのシリーズらしさを打ち出した形。チャールズ・ブロンスンが妻を殺し娘を廃人に追い込んだ犯人を探し復讐する「狼よさらば」(1973年)にも似通っている。
といった次第で、新味はなくストーリーは凡庸と言わざるを得ない。主人公が元CIA工作員につき神出鬼没だったり、様々な工作ぶりがお楽しみとなるが、じっくり見せてくれないので楽しんでいる暇がないのは良し悪し。死体安置所に入ってファムケの死体からGPS情報を盗む場面などは、どうやって潜入したかさえ解らない。テンポが速ければ面白くなるとは限らない例証である。
それにしても、第2作から、第1作でしっかりした進行ぶりを見せたピエール・モレルから落ち着きのないオリヴィエ・メガトンに監督を変えたのが不思議でならない。カット割りが細かすぎて訳の分からない部分が多く、いつもうんざりさせられるのだ。
場面転換の為に挿入されるアメリカ的演出の極致である空撮ショットも全くおざなりで「勘弁してくれ」という気分になる。もっとフランス流もあるだろうに。
演出のひどさはメガトン級。
この記事へのコメント
>なかったことに
「ターミネーター3」がそういう運命でした。
WOWOWが特集を組んだ時にこの作品だけが抜けていたのに笑いましたよ。