映画評「シン・シティ 復讐の女神」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
ネタバレあり
「去る者は日々に疎し」などと言いまして、2005年に大いに話題を呼んだフランク・ミラー作のグラフィック・ノヴェルの映画化作品の9年ぶりに続編として作られた本作に向けられる世間の風当たりは、なかなか厳しいようである。これがすぐに公開されていれば、仮に同じ程度の出来栄えであっても「鉄は熱いうちに打て」というわけでもう少し芳しい評価も得られたかもしれない。
お話は並行して四つあるようであるが、主たるものは以下の二つ。
恩人である刑事ブルース・ウィリスを死に追い込んだ悪党の上院議員パワーズ・ブースに復讐する為に、ストリッパーとなったジェシカ・アルバがチャンスを伺い、心優しき野獣ミッキー・ロークが協力する。
もう一つは、(正編ではクライヴ・オーウェンが演じた)私立探偵のジョシュ・ブローリンが、かつて縁のあった悪女エヴァ・グリーンに騙されてひどい目に遭い九死に一生を得た挙句、迷いを吹き飛ばして彼女を仕留める。
ブースの庶子でポーカーで彼をこてんぱんにやっつけた挙句に殺されてしまうジョセフ・ゴードン=レヴィットのお話がこれに絡む。
復讐若しくは復讐もどきのお話が並行進行するので、邦題はなかなか的を射て悪くないが、せめて二つ程度のエピソードが交錯しながら進行するシンプルな構成にしてくれないと観ていて落ち着かない。テンポが良いとか悪いとか言う以前に、要領を得ない印象が強くなる。
しかし、このシリーズはお話より画面だ。新味はさすがに大きく減退したものの、実写映像を劇画的に処理し「カリガリ博士」(1919年)以降暫く続いたドイツ表現主義映画や人工着色のサイレント映画のように仕上げられた画面は様式美があり、依然楽しめる部分が多い。
反面、殆どモノクロであるから余り目立たないとは言え、相変わらず残忍な描写のオンパレード。こういうのに慣れてはいけない。
シン・シティ 新味不足が 深刻さ
2014年アメリカ映画 監督ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
ネタバレあり
「去る者は日々に疎し」などと言いまして、2005年に大いに話題を呼んだフランク・ミラー作のグラフィック・ノヴェルの映画化作品の9年ぶりに続編として作られた本作に向けられる世間の風当たりは、なかなか厳しいようである。これがすぐに公開されていれば、仮に同じ程度の出来栄えであっても「鉄は熱いうちに打て」というわけでもう少し芳しい評価も得られたかもしれない。
お話は並行して四つあるようであるが、主たるものは以下の二つ。
恩人である刑事ブルース・ウィリスを死に追い込んだ悪党の上院議員パワーズ・ブースに復讐する為に、ストリッパーとなったジェシカ・アルバがチャンスを伺い、心優しき野獣ミッキー・ロークが協力する。
もう一つは、(正編ではクライヴ・オーウェンが演じた)私立探偵のジョシュ・ブローリンが、かつて縁のあった悪女エヴァ・グリーンに騙されてひどい目に遭い九死に一生を得た挙句、迷いを吹き飛ばして彼女を仕留める。
ブースの庶子でポーカーで彼をこてんぱんにやっつけた挙句に殺されてしまうジョセフ・ゴードン=レヴィットのお話がこれに絡む。
復讐若しくは復讐もどきのお話が並行進行するので、邦題はなかなか的を射て悪くないが、せめて二つ程度のエピソードが交錯しながら進行するシンプルな構成にしてくれないと観ていて落ち着かない。テンポが良いとか悪いとか言う以前に、要領を得ない印象が強くなる。
しかし、このシリーズはお話より画面だ。新味はさすがに大きく減退したものの、実写映像を劇画的に処理し「カリガリ博士」(1919年)以降暫く続いたドイツ表現主義映画や人工着色のサイレント映画のように仕上げられた画面は様式美があり、依然楽しめる部分が多い。
反面、殆どモノクロであるから余り目立たないとは言え、相変わらず残忍な描写のオンパレード。こういうのに慣れてはいけない。
シン・シティ 新味不足が 深刻さ
この記事へのコメント
冷めちゃったらどうしようもないですね。
だからデイズニーは『スターウォーズ』を次々と公開するようです。
主人公の女の子の魅力が衰えないうちに・・・・ということでしょう。
ルークもハンソロもジジィになっておりましたからね。
1970年代半ばにジョージ・ルーカスは3部作を三つ作ると言っていましたが、第二シリーズまで時間がかかりすぎて、僕のような熱烈ではない映画ファンは完全に冷めてしまいましたね。
第二シリーズは出来栄えも第一シリーズには大分及ばなかった。
どんなにかかっても9本/20年でやらなければならなかったでしょうねえ。
<仮に同じ程度の出来栄えであっても「鉄は熱いうちに打て」というわけでもう少し芳しい評価も得られたかもしれない。。>
基本 おちゃらけなコメントばっかなボクが まともコメ ありのままコメで書いていいッスか・・(・へ・)
<シン・シティ 新味不足が 深刻さ >
「鉄は熱いうちに打て」 「物には時節」・・・シンシティの前作と続編にあてはまります。料理と同じじゃないッスかぁねえ~? 作って時間が経って冷めてしまった料理は味が落ちるのとコトなのかも・・・・ 人によって解釈はそれぞれでしょうが やはり ”間”が長いと ”味”が変わってしまうのも否めないです 。
ボクちゃんの意見は厳しい意見ッスかね~。
その通りでしょう。
ちょっと間が空きすぎて失敗した悪い例となってしまったと思いますねえ。
最後のコメント、頭韻の部分を作品に倣って部分着色してみました。お気づきでしたか?
緑の着色は気づいてましたよ^^ バカのくせに(笑) しかも
5・7・5の川柳風に考えたトコが グッド
じゃあ ボク考案の川柳↓
<シンシティ 慎重すぎ 進歩なし>
あと緑で思い出したけど エヴァ・グリーン いたね。 目が緑なのよ・・・”グリーン”なだけに・・・
>川柳風
昔はよくやったものですが、なかなか難しいので、最近は生々しいコメントが多くなりましたよ。
>ボク考案の川柳
おっ、なかなかやりますね(笑)
日本語で押韻するなら、やはり頭韻だなあ。日本語は脚韻には向きませんから。
>エヴァ・グリーン
な~るほど。