映画評「しあわせはどこにある」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2014年イギリス=ドイツ=カナダ=南アフリカ合作映画 監督ピーター・チェルソム
ネタバレあり
Allcinema唯一のコメントに「サイモン・ペッグ版LIFE!」とあったが、正にその通り。しかし、純コメディーを予想させたのに案外シリアス路線に行ったかの作品よりぐっと喜劇的である。
ロンドンの精神科医サイモン・ペッグは恋人ロザムンド・パイクにも恵まれ幸福な生活を送っているが、不幸せな人々の愚痴を聞かされるうちに幸福について疑問を覚えるようになり、患者の一人である美人占い師ヴェロニカ・フェレスに誘導されて、急遽幸福の意味を探る旅に出る。
というお話で、中国、チベット(ラマ僧を演ずるのは日本人の伊川東吾)、ピンチに見舞われ続けるアフリカ(南ア?)、そして米国西海岸へ渡り若い時代に付き合っていた同業の女医トニ・コレットとのややこしい再会といった具合に、国際的ロード・ムービーの趣き。
その過程で自分がいかに恵まれているか、今何を望むべきかを悟るお話になっていくのは定石通りで、それだけなら大して面白い映画にならなかっただろうが、中国に行く飛行機で知り合った実業家ステラン・スカルスガルドから借りるのを手始めに、ペンが大活躍するのが楽しめる第一要因となっている。
違うペンが狂言回しになるのが特によろしく、細君の精神病に悩んでいるアフリカの麻薬王ジャン・レノからペンを借りたのをいつもの如く返し忘れたのが幸い、テロリストに捕まった時に彼の名前が奏功して辛うじて釈放されたりもする。
この辺りなかなかコミカルにして、かつ、洒落た感じの作劇なのである。
この作品の中でも言われているような気がするが、幸福探しができることそれ自体が幸福と言うべきであろう。世界にはそんなことすら考えられない、日々を生きるのに汲々としている人々が億の単位でいるだろうから、持てる人々の贅沢病なのである。
が、僕とてそんな悩みを否定する気は毛頭ない。やがて人類が進化し、全人類がぜいたくな悩みを持てる日が来るだろう。案外その日は近いと思う。
「2050年頃理論的に不死が可能になり、そうなれば宗教は不要になる」と先日宗教関係者に言ってやった。しかし、敵もさるもの、「それが我々の目標です」と答えられた。
2014年イギリス=ドイツ=カナダ=南アフリカ合作映画 監督ピーター・チェルソム
ネタバレあり
Allcinema唯一のコメントに「サイモン・ペッグ版LIFE!」とあったが、正にその通り。しかし、純コメディーを予想させたのに案外シリアス路線に行ったかの作品よりぐっと喜劇的である。
ロンドンの精神科医サイモン・ペッグは恋人ロザムンド・パイクにも恵まれ幸福な生活を送っているが、不幸せな人々の愚痴を聞かされるうちに幸福について疑問を覚えるようになり、患者の一人である美人占い師ヴェロニカ・フェレスに誘導されて、急遽幸福の意味を探る旅に出る。
というお話で、中国、チベット(ラマ僧を演ずるのは日本人の伊川東吾)、ピンチに見舞われ続けるアフリカ(南ア?)、そして米国西海岸へ渡り若い時代に付き合っていた同業の女医トニ・コレットとのややこしい再会といった具合に、国際的ロード・ムービーの趣き。
その過程で自分がいかに恵まれているか、今何を望むべきかを悟るお話になっていくのは定石通りで、それだけなら大して面白い映画にならなかっただろうが、中国に行く飛行機で知り合った実業家ステラン・スカルスガルドから借りるのを手始めに、ペンが大活躍するのが楽しめる第一要因となっている。
違うペンが狂言回しになるのが特によろしく、細君の精神病に悩んでいるアフリカの麻薬王ジャン・レノからペンを借りたのをいつもの如く返し忘れたのが幸い、テロリストに捕まった時に彼の名前が奏功して辛うじて釈放されたりもする。
この辺りなかなかコミカルにして、かつ、洒落た感じの作劇なのである。
この作品の中でも言われているような気がするが、幸福探しができることそれ自体が幸福と言うべきであろう。世界にはそんなことすら考えられない、日々を生きるのに汲々としている人々が億の単位でいるだろうから、持てる人々の贅沢病なのである。
が、僕とてそんな悩みを否定する気は毛頭ない。やがて人類が進化し、全人類がぜいたくな悩みを持てる日が来るだろう。案外その日は近いと思う。
「2050年頃理論的に不死が可能になり、そうなれば宗教は不要になる」と先日宗教関係者に言ってやった。しかし、敵もさるもの、「それが我々の目標です」と答えられた。
この記事へのコメント
トランプ人気もそんなところにあるような気がします。
大きく革命的な変化が望まれているのでしょう。
ヒラリーでさえも倒される可能性がないことはなさそうで・・・
ヒトラーもかつては泡沫候補でありましたからね。
>大人版青い鳥
現実があまりに世知辛いからでしょうか、増えていますね。
>トランプ人気
いざクリントン女史との一騎打ちになれば勝てないと思っていますが、仮に彼が勝つと日本はかなり辛いことになるでしょう。
日本から米軍を撤退するというのは脅しにしても、そうでなくても少なくない思いやり予算を増やされて、国民の社会福祉が益々減退する可能性がある。
本当に撤退したらしたらで、莫大な軍備費が必要となり、こちらの場合も国民は益々苦しい生活を強いられる。
どちらにしても、反権力的な意見が主流となり、前者の場合は親米派も反米的になるでしょう。
永遠的独裁政権を目指しているとも言われる安倍政権(安倍さんは衆参ダブル選挙・・・今回の地震で衆議院の解散は無謀という印象はありますが・・・で圧勝した際には、自民党の規定まで変えて永続的党首になることを考えているという風説が一部にあり)にはきついでしょう。