映画評「アドレナリン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー
ネタバレあり

ジェイスン・ステイサムの「トランスポーター」シリーズで人気沸騰中の頃出演したアクション。アウトラインを読むと観たような気もするのだが、実際観てみると初めてだった。

ボスに命じられるまま中国マフィアのボスを殺した殺し屋ステイサムが、睡眠中に敵対するグループに毒を盛られる。旅行中の知人の医師ドワイト・ヨーカムに問い合わせてみると、アドレナリンが毒の効果が制御されると言う。その為彼は、麻薬を吸入、必要以上の暴力行為や自傷行為を続け、やがて恋人エイミー・スマートにも危険が迫ると気づくと、彼女を巻き込んで、助かる道を探りながら毒を盛った憎き男ホセ・パブロ・カンティージョに復讐するチャンスを狙う。

タイムリミット型サスペンスのヴァリエーションで、直線的な展開は一応好もしく、こういう着想は本格サスペンスに徹すればご機嫌になれた可能性があるが、実際には本格サスペンスとは程遠い進行ぶり。アドレナリンを出し続けるためにチャイナ・タウンで青姦に励んだり、エイミーがちょっとした作業に没頭している僅かの間にステイサムが一仕事やっつけるといったコミカルな描写が目立ち、死んだはずの中国マフィアのボスが現れての出入りになる終幕はドタバタ、全体的に漫画という展開に推移する。

描写には、ホームビデオのような低解像度の映像もインサートするなど工夫を凝らしているが、昨今のアクション映画の例に洩れずカット割りが劇画的で、技術的に面白くない。コンパクトに作られているので、ただ退屈しなければ良いというアクション映画ファンには、まあ、向いている。

ほぼコメディーです。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2016年07月24日 18:58
『トランスポーター』的な味わいを残しつつ作られた作品で、こういった映画は好きです。
オカピー
2016年07月24日 21:01
ねこのひげさん、こんにちは。

退屈はしなかったけれども、ちょっとふざけ過ぎだったかなあ。

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  • アドレナリン

    Excerpt: バカ丸出しで全力疾走。 Weblog: Akira's VOICE racked: 2016-07-20 10:11