映画評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
☆☆(4点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・樋口真嗣
ネタバレあり
本作原作たる諌山創という人のコミックは大人気だそうで、比較的最近僕は名前を知ったが、コミックご本尊、TVアニメ、その他のメディアいずれにも触れたことがない。二部作の前編。
突然現れた巨人により文明が破壊された地球、人々は三重の壁を作ってその中で一応の平和を享受して100年後、想定外の大巨人が現れて壁を破壊した為、小さめの巨人も入って来て再び人類対巨人の戦いが始まる。
というお話で、主軸となるのは巨人に対抗するために結成された調査兵団の面々で、平和な時から仲良しだったエレン(三浦春馬)、アルミン(本郷奏太)、ミカサ(水原希子)の三人が中心。それにエレンにやたらに食ってかかるジャン(三浦貴大)や隊長のシキシマ(長谷川博己)などが絡んでくる。
日本映画らしく人物関係がネチネチしていて面倒くさい印象が強いが、日本にはこうした面倒臭さが好きな観客も多いから、作られもするわけである。それにしても、人物の確執の間にアクションが入ってくる感じではジャンル映画としては甚だ心許ない。日本映画にハードボイルドさはなかなか求められないねえ。
巨人たちの見苦しさは天下一品で、それが最近の流行りの言葉で言えば、本作の“世界観”であると言えばそれまでだが、とても歓迎できない。
しかし、僕が一番腹立たしいのは、前編98分後編87分併せて185分、エンディングのクレジットと後編における前編ストーリーの紹介部分を除くと15分くらい少ない実質170分のお話を二つに分けて公開する商売人的根性。観衆の長時間作品に対する忍耐力の問題もあるにせよ、およそ二倍の配収が見込めるのがおいしいのでしょうね。
それなりに巧く作ってヒットしても日本ではこの手の作品はけなされる傾向があるのに、めげずに頑張る樋口真嗣が監督。怪獣映画大好きの映画批評家・町山智浩氏が脚本陣に加わっているのが興味深い。
読売ジャイアンツファンの希望です・・・進撃の巨人。
2015年日本映画 監督・樋口真嗣
ネタバレあり
本作原作たる諌山創という人のコミックは大人気だそうで、比較的最近僕は名前を知ったが、コミックご本尊、TVアニメ、その他のメディアいずれにも触れたことがない。二部作の前編。
突然現れた巨人により文明が破壊された地球、人々は三重の壁を作ってその中で一応の平和を享受して100年後、想定外の大巨人が現れて壁を破壊した為、小さめの巨人も入って来て再び人類対巨人の戦いが始まる。
というお話で、主軸となるのは巨人に対抗するために結成された調査兵団の面々で、平和な時から仲良しだったエレン(三浦春馬)、アルミン(本郷奏太)、ミカサ(水原希子)の三人が中心。それにエレンにやたらに食ってかかるジャン(三浦貴大)や隊長のシキシマ(長谷川博己)などが絡んでくる。
日本映画らしく人物関係がネチネチしていて面倒くさい印象が強いが、日本にはこうした面倒臭さが好きな観客も多いから、作られもするわけである。それにしても、人物の確執の間にアクションが入ってくる感じではジャンル映画としては甚だ心許ない。日本映画にハードボイルドさはなかなか求められないねえ。
巨人たちの見苦しさは天下一品で、それが最近の流行りの言葉で言えば、本作の“世界観”であると言えばそれまでだが、とても歓迎できない。
しかし、僕が一番腹立たしいのは、前編98分後編87分併せて185分、エンディングのクレジットと後編における前編ストーリーの紹介部分を除くと15分くらい少ない実質170分のお話を二つに分けて公開する商売人的根性。観衆の長時間作品に対する忍耐力の問題もあるにせよ、およそ二倍の配収が見込めるのがおいしいのでしょうね。
それなりに巧く作ってヒットしても日本ではこの手の作品はけなされる傾向があるのに、めげずに頑張る樋口真嗣が監督。怪獣映画大好きの映画批評家・町山智浩氏が脚本陣に加わっているのが興味深い。
読売ジャイアンツファンの希望です・・・進撃の巨人。
この記事へのコメント
このせいで見てません。タランティーノ「キル・ビル」が1と2になったのを小林信彦が商売のためでしょうね(昔のB級映画なら85分でやりきる話なのに)と批判してました。「グラインドハウス」も一作を短めに仕立てて二本立てで興業した方が昔の映画館らしさが出てよかったのに、もうできないんでしょうね。今二本立てや三本立てを観て楽しむ余裕というかゆとりみたいなのが若い人にもなさそうですし(笑)。
良心があるなら、これは一本でやるべきでしたねえ。若い人にはお金を持っていない人もいるでしょうし。
>「キル・ビル」
僕もそう思いましたね。小林氏が仰るように、それほど長い時間をかけずにできる内容でした。2本目の観念的な駄弁も退屈でしてね。
若い観客に長い映画に対するこらえ性がないというのも現実でしょうが、面白ければ3時間くらいは持つでしょう。
ある意味、ゾンビ物のバリエーションで、ハリウッドに作らせた方がもっとえぐい映画になった気がする。
本当にハリウッドがリメイクするかも。