映画評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド・オブ・ザ・ワールド」
☆★(3点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・樋口真嗣
ネタバレあり
【合わせ技で一本】ならぬ、合わせて一本と考えるべき二部作だから前編と同じ採点でも良かったのだが、別個に興行されたわけだから独立して考え、こちらのほうが駄弁が多くてさらに詰まらない為★一つ分下げた。
前編のストーリーの紹介が終わった後から、調査兵団の面々が一枚岩でなく何かと口論し、或いは訳の解らない口上を述べてあくびを誘発する。その合間を繋ぐのが陰惨なだけなアクションてな寸法。
壁にできた穴を塞ぐのを目的とするダイナマイトや不発弾の運搬を邪魔する巨人は、隊長(長谷川博己)が変身したものと判明。この隊長とエレン(三浦春馬)が変身した巨人とが戦うのが最初の見せ場で、怪獣映画がお好きと言う映画評論家・町山智浩氏が加わった理由と結果が現れている。
怪獣映画における戦いはプロレスの乗りなのだと聞いたことがあるが、その説通りの見せ方となっていると納得させるものある。町山氏がそう思っているかどうか定かではないものの、怪獣映画ファンの怪獣映画への観念がぼんやりと感じられるのである。
調査兵団のトップ(國村隼)も巨人(これが超巨人と判明)となってエレンらと戦う。
トップは独裁者たる専制君主で、隊長は革命闘士という図式の対立をベースに、平和を目指す庶民エレンらは結局は暴力に立脚するどちらにも与しないというのが主題。要は産業革命以降の社会の構図と、人間の欲望の怖さ(巨人は欲望の結果であり、欲望の寓意である)とを、表現しようとしたのだろう。
かと言って、それが映画的価値を上げるということは全くなく、内容に比して言葉が多いのはジャンル映画としてはちと問題、もう少しきちんとしたアクションやサスペンスを配置しないとがっかりということになる。
何と言っても一番弱いのは、変身する仕組みが全く解らないこと。都合の良い時に変身できるのでは、スリルもサスペンスもあったもんじゃない。
お楽しみは、懐かしいスキータ・デーヴィスの「この世の果てまで」The End of the Worldが聴けること。
柔道男子、今回は頑張ってね。国ごとのメダル数なんて関心ないけれど、わが国が多くて嬉しくないことはない。
2015年日本映画 監督・樋口真嗣
ネタバレあり
【合わせ技で一本】ならぬ、合わせて一本と考えるべき二部作だから前編と同じ採点でも良かったのだが、別個に興行されたわけだから独立して考え、こちらのほうが駄弁が多くてさらに詰まらない為★一つ分下げた。
前編のストーリーの紹介が終わった後から、調査兵団の面々が一枚岩でなく何かと口論し、或いは訳の解らない口上を述べてあくびを誘発する。その合間を繋ぐのが陰惨なだけなアクションてな寸法。
壁にできた穴を塞ぐのを目的とするダイナマイトや不発弾の運搬を邪魔する巨人は、隊長(長谷川博己)が変身したものと判明。この隊長とエレン(三浦春馬)が変身した巨人とが戦うのが最初の見せ場で、怪獣映画がお好きと言う映画評論家・町山智浩氏が加わった理由と結果が現れている。
怪獣映画における戦いはプロレスの乗りなのだと聞いたことがあるが、その説通りの見せ方となっていると納得させるものある。町山氏がそう思っているかどうか定かではないものの、怪獣映画ファンの怪獣映画への観念がぼんやりと感じられるのである。
調査兵団のトップ(國村隼)も巨人(これが超巨人と判明)となってエレンらと戦う。
トップは独裁者たる専制君主で、隊長は革命闘士という図式の対立をベースに、平和を目指す庶民エレンらは結局は暴力に立脚するどちらにも与しないというのが主題。要は産業革命以降の社会の構図と、人間の欲望の怖さ(巨人は欲望の結果であり、欲望の寓意である)とを、表現しようとしたのだろう。
かと言って、それが映画的価値を上げるということは全くなく、内容に比して言葉が多いのはジャンル映画としてはちと問題、もう少しきちんとしたアクションやサスペンスを配置しないとがっかりということになる。
何と言っても一番弱いのは、変身する仕組みが全く解らないこと。都合の良い時に変身できるのでは、スリルもサスペンスもあったもんじゃない。
お楽しみは、懐かしいスキータ・デーヴィスの「この世の果てまで」The End of the Worldが聴けること。
柔道男子、今回は頑張ってね。国ごとのメダル数なんて関心ないけれど、わが国が多くて嬉しくないことはない。
この記事へのコメント
町山さん・・・参加してよかったのかね?
そう言えば、僕も、近くの山の頂上に生えている木が怪獣に見え、時に襲われるような気がしたことがありますよ。50年ぶりに思い出したなあ。
>町山さん
怪獣映画にしたかったんでしょうね。原作ファンは気に入らんでしょうが。