映画評「トランスポーター イグニション」
☆☆(4点/10点満点中)
2015年フランス=中国=ベルギー合作映画 監督カミーユ・ドラマーレ
ネタバレあり
“リブート”と告知されているが、007風に解釈すれば、実質的に主演俳優をジェイスン・ステイサムから若手エド・スクレインに代えたシリーズ第4作。
中身を知ることなく何でも届けることをモットーとする特殊輸送屋のフランク(スクレイン)が、ロアン・シャバノル率いる売春婦四人組に同じ名前の父親(レイ・スティーヴンスン)を人質に取られ、彼女たちを運ぶことになる。人間が荷物という正に特殊な依頼で、彼女たちの目的は自分たちを苦しめる売春業カルテルの親分ラシャ・ブコビッチをやっつけること。よく解らないうちに親子は彼女たちを全面的にバックアップする役目を負ってしまう。
金髪のかつらを被って同じ格好をした四人の売春婦たちが出てくる辺りなかなか面白いが、彼女たちの作戦自体は終わってみれば単純な割に余りすっきりせずそれほど面白くない。元スパイ・エージェントらしい父親が二度も誘拐されるのも間が抜けている。一度目は愛嬌でも二度目はいけない。
見せ場は勿論カー・アクションだが、コートダジュールを舞台にした警察とのチェースはコンピューターによる細工が相当混じっている感じ(CGの意にあらず)であるし、「ワイルド・スピード」の最後の2、3作の荒唐無稽さと比べると物足りない印象を覚える。
最近のアクションで殆ど例外なく使われるマンガのコマのようなカット割り自体がそもそも僕は好きではないのだが、嫌いと言えども巧拙は感じるわけで、残念ながら本作の監督カミーユ・ドラマーレはそう上手いとは思われない。
リブートにしても何にしても、柳の下の何とやらに、おじさんは食傷気味でござるよ。悪党が決まってロシア人若しくはスラブ系というのも芸がないのではありませんかな。
2015年フランス=中国=ベルギー合作映画 監督カミーユ・ドラマーレ
ネタバレあり
“リブート”と告知されているが、007風に解釈すれば、実質的に主演俳優をジェイスン・ステイサムから若手エド・スクレインに代えたシリーズ第4作。
中身を知ることなく何でも届けることをモットーとする特殊輸送屋のフランク(スクレイン)が、ロアン・シャバノル率いる売春婦四人組に同じ名前の父親(レイ・スティーヴンスン)を人質に取られ、彼女たちを運ぶことになる。人間が荷物という正に特殊な依頼で、彼女たちの目的は自分たちを苦しめる売春業カルテルの親分ラシャ・ブコビッチをやっつけること。よく解らないうちに親子は彼女たちを全面的にバックアップする役目を負ってしまう。
金髪のかつらを被って同じ格好をした四人の売春婦たちが出てくる辺りなかなか面白いが、彼女たちの作戦自体は終わってみれば単純な割に余りすっきりせずそれほど面白くない。元スパイ・エージェントらしい父親が二度も誘拐されるのも間が抜けている。一度目は愛嬌でも二度目はいけない。
見せ場は勿論カー・アクションだが、コートダジュールを舞台にした警察とのチェースはコンピューターによる細工が相当混じっている感じ(CGの意にあらず)であるし、「ワイルド・スピード」の最後の2、3作の荒唐無稽さと比べると物足りない印象を覚える。
最近のアクションで殆ど例外なく使われるマンガのコマのようなカット割り自体がそもそも僕は好きではないのだが、嫌いと言えども巧拙は感じるわけで、残念ながら本作の監督カミーユ・ドラマーレはそう上手いとは思われない。
リブートにしても何にしても、柳の下の何とやらに、おじさんは食傷気味でござるよ。悪党が決まってロシア人若しくはスラブ系というのも芸がないのではありませんかな。
この記事へのコメント
リプートだのリメイクなどと、安易に走るのは・・・驚くような新作を見せて欲しいものです。
アイデアの枯渇だけでなく、「柳」型が増えたのでしょう。基本的に映画業界はそれでやって来ましたけど、昨今の無気力ぶりは目も当てられない感じ。