映画評「コードネームU.N.C.L.E.」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ=イギリス合作映画 監督ガイ・リッチー
ネタバレあり
何と、1960年代日本でも大人気だったTVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイクである。ガイ・リッチーとしては、古典のモダン化という意味で「シャーロック・ホームズ」の続きみたいな感じ。
僕はTVシリーズは観ていないのだが、映画版8本のうち少なくとも7本は観ている。尤も専らTV放映で、ロバート・ヴォーンとデーヴィッド・マッカラムも懐かしいが、アテレコした矢島正明と野沢那智の声が蘇ってくる。
1960年代初め、窃盗犯ながら才能を見込まれてCIA諜報員になったナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)が、失踪した核兵器の専門家テラー博士を発見すべく娘ギャビー(アリシア・ヴィカンダー)を東ベルリンに訪ねる。叔父が働くイタリアの企業が開発を進めているらしい核兵器をナチス残党に引き渡すのを阻止するためだ。
協力するのは何とソ連KGBの諜報員イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)で、彼女と夫婦を偽装してその企業経営者夫婦のパーティーに潜入する。
ソロは窃盗の技術を生かして、実権を握る社長夫人ヴィクトリア(エリザベル・デヴィッキ)に首尾よく接近するが、あろうことか、ギャビーが裏切ってソロもイリヤもスパイであることがばれてしまう。
尤もこの裏切りに裏があることくらいは、長く映画を見てきた人ならまるっとお見通し。但し、ソロもイリヤもCIAもKGBも真相を知らない。何となれば、彼女は第3のスパイ組織UNCLE(厳密に言うと、この事件の活躍で結成されることになる)に所属するスパイだからである。
といった具合に進行するお話は、手を組みながらも米ソの緊張を僅かにはらみ、コンビの性格の対照を強調して進行する為まずまずの面白さで、配役も悪くないが、リッチーの半端にモダンな場面処理が感心できない。1960年代らしい、のんびりした気分のあるスパイ・スリラーはオーソドックスに徹底したほうが楽しめるはずである。
ソ連ではなく第三のグループを悪役にするお話の趣向は初期の「007」に近く、それ自体はオールド・ファンにはうれしい。もう少し落ち着きのある見せ方をする監督ならぐっと楽しめただろう。今回はUNCLE誕生の巻といった趣だから、続編が作られる可能性が大。個人的には別の監督を望むが、世間的にはなかなか好評でござる。
マッカラムとアーミー・ハマーではタイプが真逆です。
2015年アメリカ=イギリス合作映画 監督ガイ・リッチー
ネタバレあり
何と、1960年代日本でも大人気だったTVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイクである。ガイ・リッチーとしては、古典のモダン化という意味で「シャーロック・ホームズ」の続きみたいな感じ。
僕はTVシリーズは観ていないのだが、映画版8本のうち少なくとも7本は観ている。尤も専らTV放映で、ロバート・ヴォーンとデーヴィッド・マッカラムも懐かしいが、アテレコした矢島正明と野沢那智の声が蘇ってくる。
1960年代初め、窃盗犯ながら才能を見込まれてCIA諜報員になったナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)が、失踪した核兵器の専門家テラー博士を発見すべく娘ギャビー(アリシア・ヴィカンダー)を東ベルリンに訪ねる。叔父が働くイタリアの企業が開発を進めているらしい核兵器をナチス残党に引き渡すのを阻止するためだ。
協力するのは何とソ連KGBの諜報員イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)で、彼女と夫婦を偽装してその企業経営者夫婦のパーティーに潜入する。
ソロは窃盗の技術を生かして、実権を握る社長夫人ヴィクトリア(エリザベル・デヴィッキ)に首尾よく接近するが、あろうことか、ギャビーが裏切ってソロもイリヤもスパイであることがばれてしまう。
尤もこの裏切りに裏があることくらいは、長く映画を見てきた人ならまるっとお見通し。但し、ソロもイリヤもCIAもKGBも真相を知らない。何となれば、彼女は第3のスパイ組織UNCLE(厳密に言うと、この事件の活躍で結成されることになる)に所属するスパイだからである。
といった具合に進行するお話は、手を組みながらも米ソの緊張を僅かにはらみ、コンビの性格の対照を強調して進行する為まずまずの面白さで、配役も悪くないが、リッチーの半端にモダンな場面処理が感心できない。1960年代らしい、のんびりした気分のあるスパイ・スリラーはオーソドックスに徹底したほうが楽しめるはずである。
ソ連ではなく第三のグループを悪役にするお話の趣向は初期の「007」に近く、それ自体はオールド・ファンにはうれしい。もう少し落ち着きのある見せ方をする監督ならぐっと楽しめただろう。今回はUNCLE誕生の巻といった趣だから、続編が作られる可能性が大。個人的には別の監督を望むが、世間的にはなかなか好評でござる。
マッカラムとアーミー・ハマーではタイプが真逆です。
この記事へのコメント
ナポレオン・ソロ懐かし~
すみません。理屈こねました(笑)
>ナポレオン・ソロ
WOWOWさん、映画版8本やってください。
若い人ばかりに目を向けていないで、中高年向けにプログラムを組んでほしいぞっ!
ぼくは、子供のころ、「ナポレオン・ソロ」を毎週、楽しみにしていたクチでして、映画のほうは未見でしたので、急いで、2代目ボンドのジョージ・レーゼンビーが出ている「0011ナポレオン・ソロ2」を借りてきて観ました。
当時の僕は、イリヤ役のデーヴィッド・マッカラムのファンでした。サイレンサーを付けたワルサーP38アンクルスペシャルが格好良くてねぇ(笑)
この番組がアメリカで放映されていたころ、この二人のキャラクターがあまりにも互いを信頼し合っているので恋人関係にあるのではないかとの噂が実際にながれていたそうです..。
その影響なのか、日本の吹き替えでもロバート・ボーンは語尾に「~なのよ」を付けるオネエ言葉」でしたね(笑)
The Man From U.N.C.L.E.のファンダムを研究している米国の研究者が、ボーンとマッカラムにインタビューしたときに、二人ともそういった噂を知っていて、わざとそのように仕掛けていたと告白していますね。
もちろん子供のころは、そんな背景もゲイの何たるかも知らずに、ただ面白がっていたわけですが・・。
>ロバート・ボーン
奇しくも、と言うか、本稿アップのタイミングにクロスしました。
彼で思い出すのは、「ナポレオン・ソロ」以外では、「ブリット」の議員さんでしょうか。
>「~なのよ」を付けるオネエ言葉でしたね(笑)
ああ、そうでした!
そうだったら面白いですね。
>ゲイ
僕がこの言葉を知った頃は(少なくとも日本では)同性愛の意味では使われず、おかまに近い感じでしたかね。
当時ゲイ・バーと言えば、化粧をした男性たちが集まるような店かと思っていましたよ。