映画評「ザ・ガンマン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2015年アメリカ)=スペイン=フランス=イギリス合作映画 監督ピエール・モレル
ネタバレあり

何を思ったか、ドラマにおける性格俳優ぶりが目立っていたショーン・ペンがストレートなサスペンス・アクションに出演した。1982年にアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴが「リスボン特急」以来再共演したのに日本では劇場未公開に終わった「最後の標的」に続く、ジャン=パトリック・マンシェットの「眠りなき狙撃者」の二度目の映画化である。

鉱石を巡って内戦状態にあるコンゴ共和国、NGOの護衛をする傍ら秘密裏に秘密任務を果たす特殊部隊のグループがあり、その一人で名狙撃手のペンが鉱石相を暗殺する任務を全うし、恋人のジャスミン・トリンカをリーダー的存在のハビエル・バルデムに託して国外へ逃走する。
 数年後ペンはコンゴでNGOのメンバーとして活動している時に襲撃され、やがて鉱石相暗殺を遂行したグループのメンバーが何者かに抹殺されている事実を掴み、母国スペインでジャスミンと平和に過ごしていたバルデムに連絡を入れるが、結局バルデムは殺されてしまう。
 ペンは、かつての出奔や今回の謎の事件で疑いを持つ彼女を守り、やがて極秘の真実を告白すると、襲撃してくるマーク・ライランス以下の連中を退ける。暗殺は利権を狙う鉱山会社と武器会社の指令だったのだ。

監督は「96時間」や「パリより愛をこめて」のアクション演出を買ったピエール・モレル。監督を知らずに見て、細切れは気に入らないがカット割りが優れてパンチがあると思い、エンディング・ロールで監督の名前を見て納得した次第でござる。「96時間」のほうが僕の好みに適するようにもっとじっくり撮っていた印象があるが、まあ記憶は余り当てにならない。いずれにしてもカットは細かくてもきちんと構成してくれれば不満は生じないのである。固定ではないにしても変な風にカメラを揺らさないのも良く、きちんとした映画観を持っている監督であると思う。

惜しむらくは、お話が型に落ちてさほど面白くない。最後の競馬場を舞台にした立ち回りはその独自の施設の構造と牛の動きを生かして大した見せ場になっているが、ここに来場しているはずの国際警察の刑事イドリス・エルバが全く絡んで来ないなど作劇的に首を傾げさせるところが散見される。

ショーン・ペンは、モレルの指導よろしきを得てか、キチンとアクションしている。

配給会社は邦題として原題にザが入っている時には付けず、勝手に考えた横文字タイトルには付ける。しかし、本作は珍しく原題と同じ。そもそも英語原題にTheが付く作品が減っているよね。

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  • ザ・ガンマン ★★.5

    Excerpt: オスカー俳優ショーン・ペンが、『96時間』などのピエール・モレル監督と組んだアクション。ジャン=パトリック・マンシェットの「眠りなき狙撃者」を基に、過去を捨てた元特殊部隊の暗殺者が何者かに命を狙われた.. Weblog: パピとママ映画のblog racked: 2016-12-03 13:18