映画評「三匹の侍」
☆☆★(5点/10点満点中)
1964年日本映画 監督・五社英雄
ネタバレあり
1963年から始まったTV時代劇シリーズの映画版。初鑑賞である。
浪人の丹波哲郎が、藤原釜足ら三人の農民が代官・石黒達也の娘・桑野みゆきを人質に、年貢の減免を願い出ようとするが、代官は逆に農民の娘・香山美子を人質にして応じようとしない。
丹波は、農民の娘が舌を噛んで自殺したことから始まる混乱を収拾しようと、自分が罪を負うので、農民たちを無罪放免にするよう約束させると、代官の娘を解放する。が、代官は約束を反故にし、彼を水牢に入れ、その間に雇った浪人を使って三人を殺してしまう。
浪人のうち早々に農民側に鞍替えした長門勇や、丹波の男気に惚れ込んで脱出を手伝った用心棒・平幹二朗が味方に加わり、この三人で代官が繰り出す追手と闘うことになる。丹波は死守した訴状を農民に渡すが、参勤交代から帰国する藩主にこれを提示しようとする者はいない。
「七人の侍」のこじんまり版と言っても良いと思うし、台詞に意識しているものがあるように感じる。絵作りはTVと映画の中間くらいで格調はそれほど高くないが、本作が劇映画第一作という五社英雄はスピード感のある展開ぶりでそこそこ面白く見せている。しかし、三人の役者それぞれに見せ場を作ってやろう(?)などと思わずに、三人が一緒に行動する場面を多くすればもっとタイトでぐっと面白いお話になったと思う。
考証的に少しすっきりしないのは、最終的に農民3人が藩主に直訴しようということ。藩主への直訴は死刑と決まっていたはずなので、いかに悪代官が搾取しているとは言え、首を傾げさせるものがある。3人以外の反応を見ると、そこまでの気運が3人以外の村民の間に生まれていなかったということなのだろう。
タイトルはよく知っているが、少年時代にTVシリーズを観た記憶がない。
1964年日本映画 監督・五社英雄
ネタバレあり
1963年から始まったTV時代劇シリーズの映画版。初鑑賞である。
浪人の丹波哲郎が、藤原釜足ら三人の農民が代官・石黒達也の娘・桑野みゆきを人質に、年貢の減免を願い出ようとするが、代官は逆に農民の娘・香山美子を人質にして応じようとしない。
丹波は、農民の娘が舌を噛んで自殺したことから始まる混乱を収拾しようと、自分が罪を負うので、農民たちを無罪放免にするよう約束させると、代官の娘を解放する。が、代官は約束を反故にし、彼を水牢に入れ、その間に雇った浪人を使って三人を殺してしまう。
浪人のうち早々に農民側に鞍替えした長門勇や、丹波の男気に惚れ込んで脱出を手伝った用心棒・平幹二朗が味方に加わり、この三人で代官が繰り出す追手と闘うことになる。丹波は死守した訴状を農民に渡すが、参勤交代から帰国する藩主にこれを提示しようとする者はいない。
「七人の侍」のこじんまり版と言っても良いと思うし、台詞に意識しているものがあるように感じる。絵作りはTVと映画の中間くらいで格調はそれほど高くないが、本作が劇映画第一作という五社英雄はスピード感のある展開ぶりでそこそこ面白く見せている。しかし、三人の役者それぞれに見せ場を作ってやろう(?)などと思わずに、三人が一緒に行動する場面を多くすればもっとタイトでぐっと面白いお話になったと思う。
考証的に少しすっきりしないのは、最終的に農民3人が藩主に直訴しようということ。藩主への直訴は死刑と決まっていたはずなので、いかに悪代官が搾取しているとは言え、首を傾げさせるものがある。3人以外の反応を見ると、そこまでの気運が3人以外の村民の間に生まれていなかったということなのだろう。
タイトルはよく知っているが、少年時代にTVシリーズを観た記憶がない。
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