映画評「トリプル9 裏切りのコード」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ジョン・ヒルコート
ネタバレあり
「欲望のバージニア」の断ち切るようなタッチが気に入ったジョン・ヒルコートの最新作。
今度は現在の南部ジョージア州アトランタが舞台。かつてオリンピックも行われたが、犯罪が多い町らしい。
特殊部隊の元兵士キウェテル・イジョフォーは、幼ない息子をロシアン・マフィアの女親分ケイト・ウィンスレットに人質に取られているため、やむなく強奪の実行グループのリーダーとして働いている。グループの中には現職の警官アンソニー・マッキーもいて、多くの官憲が汚職にまみれている状態である。
ある時非情な女親分が警戒厳重な国土安全保障省襲撃を命じたため、彼らは時間稼ぎの為に警察の緊急事態である“コード999”の状態を無理やり発生させる羽目になる。これは、官憲が襲われ(て多くは死亡し)たことを意味し、発動されると警官はそれに集中する。その間隙をついて襲撃を行うということである。
僕の理解では、”コード999”は人情的なものであって絶対的にそうしなければならないわけではなさそうで、不安定な計画と思われるが、こういうものが実際にある(のだろう)ということは勉強になる。
そのスケープゴートになるのが、汚職のことを知らずにマッキーの相棒となった白人警官ケイシー・アフレック。しかし、この計画が密かに進むうちに何とマッキーが倒れることになる。警官の間で裏切りが行われているのである。
結論らしい結論がないわりにお話はややややこしく、トレースしにくいところがままある。即実的な描写が実録的なムードを醸成し気分を出している一方、その目的の為だろうが、暗くて解りにくい場面が多い難点もある。
といった具合に「欲望のバージニア」より弱いが、実感のある犯罪映画として評価しておきたいものあり。但し、大衆映画的な作りではないので、万人向きとは言えない。
「風と共に去りぬ」ではアトランタは火で包まれ、今はマフィアに囲まれる。「欲望のアトランタ」といったところじゃろ。
2015年アメリカ映画 監督ジョン・ヒルコート
ネタバレあり
「欲望のバージニア」の断ち切るようなタッチが気に入ったジョン・ヒルコートの最新作。
今度は現在の南部ジョージア州アトランタが舞台。かつてオリンピックも行われたが、犯罪が多い町らしい。
特殊部隊の元兵士キウェテル・イジョフォーは、幼ない息子をロシアン・マフィアの女親分ケイト・ウィンスレットに人質に取られているため、やむなく強奪の実行グループのリーダーとして働いている。グループの中には現職の警官アンソニー・マッキーもいて、多くの官憲が汚職にまみれている状態である。
ある時非情な女親分が警戒厳重な国土安全保障省襲撃を命じたため、彼らは時間稼ぎの為に警察の緊急事態である“コード999”の状態を無理やり発生させる羽目になる。これは、官憲が襲われ(て多くは死亡し)たことを意味し、発動されると警官はそれに集中する。その間隙をついて襲撃を行うということである。
僕の理解では、”コード999”は人情的なものであって絶対的にそうしなければならないわけではなさそうで、不安定な計画と思われるが、こういうものが実際にある(のだろう)ということは勉強になる。
そのスケープゴートになるのが、汚職のことを知らずにマッキーの相棒となった白人警官ケイシー・アフレック。しかし、この計画が密かに進むうちに何とマッキーが倒れることになる。警官の間で裏切りが行われているのである。
結論らしい結論がないわりにお話はややややこしく、トレースしにくいところがままある。即実的な描写が実録的なムードを醸成し気分を出している一方、その目的の為だろうが、暗くて解りにくい場面が多い難点もある。
といった具合に「欲望のバージニア」より弱いが、実感のある犯罪映画として評価しておきたいものあり。但し、大衆映画的な作りではないので、万人向きとは言えない。
「風と共に去りぬ」ではアトランタは火で包まれ、今はマフィアに囲まれる。「欲望のアトランタ」といったところじゃろ。
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