映画評「秘密 THE TOP SECRET」
☆☆(4点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・大友啓史
ネタバレあり
清水玲子という漫画家の同名コミックを「るろうに剣心」で良いアクション感覚を見せた大友啓史監督が実写映画化したSFミステリー。
死者の脳をスキャンすることで死者の最後の映像記憶を再現、犯人などの特定に役立てるべく設立された特別捜査機関、通称“第9”の室長・生田斗真は、若き刑事・岡田将生をメンバーに加えた直後、家族3人を殺した罪で死刑に付されたばかりの脳科学者・椎名桔平をスキャンすると、行方不明になっている妹娘・織田梨沙が殺人を犯す様子が映し出されて一同仰天する。
父親の死刑を確認し、官憲に挑戦するかのように彼女が現れ、“第9”や彼らに協力せざるを得なくなった刑事・大森南朋を挑発する。
その頃全国で9人が同時刻に自殺する事件が発生、全員の脳を調べると殺人鬼・吉川晃司に行きつき、彼と彼女が連絡(関係)しているらしいことが判って来る。
という具合にお話が続くのだが、脳をスキャンするという原作由来のSF的設定はなかなか興味深い。しかし、その範囲においても、直接のモニターとは別に、捜査官が死者の脳と同調して自分の脳内で再現させる意味がよく解らない。僕は、捜査官の主観を経ないとモニターに映らないのかと思ったが、そうでもないらしい。
続いて、シーンやシークエンスが上手く繋がっていず、解り難い部分が多いのが問題。中でも、盲目の少年が車にはねられて死ぬ事件・事故が余りに唐突に出てきてお粗末。大森氏と岡田君が現場で大騒ぎするが、どうして警察が事故を梨沙嬢と関連付けられたか全く解らないのである。録画を見直してみたが、やはり解らない。最終的にこれが彼女を追い詰めていくのだから、この事件以降が全く乗れないことになる。
しかも、あれほど狂気に満ちた彼女にしては理に落ちる感じの幕切れで、相当がっかりさせられる。大山鳴動して鼠一匹というやつである。僕の集中力・理解力に問題がないとは言わないが、お話の繋ぎに大きな難があるのは否定できない。
日本は伝統的にSF映画は駄目じゃね。
2016年日本映画 監督・大友啓史
ネタバレあり
清水玲子という漫画家の同名コミックを「るろうに剣心」で良いアクション感覚を見せた大友啓史監督が実写映画化したSFミステリー。
死者の脳をスキャンすることで死者の最後の映像記憶を再現、犯人などの特定に役立てるべく設立された特別捜査機関、通称“第9”の室長・生田斗真は、若き刑事・岡田将生をメンバーに加えた直後、家族3人を殺した罪で死刑に付されたばかりの脳科学者・椎名桔平をスキャンすると、行方不明になっている妹娘・織田梨沙が殺人を犯す様子が映し出されて一同仰天する。
父親の死刑を確認し、官憲に挑戦するかのように彼女が現れ、“第9”や彼らに協力せざるを得なくなった刑事・大森南朋を挑発する。
その頃全国で9人が同時刻に自殺する事件が発生、全員の脳を調べると殺人鬼・吉川晃司に行きつき、彼と彼女が連絡(関係)しているらしいことが判って来る。
という具合にお話が続くのだが、脳をスキャンするという原作由来のSF的設定はなかなか興味深い。しかし、その範囲においても、直接のモニターとは別に、捜査官が死者の脳と同調して自分の脳内で再現させる意味がよく解らない。僕は、捜査官の主観を経ないとモニターに映らないのかと思ったが、そうでもないらしい。
続いて、シーンやシークエンスが上手く繋がっていず、解り難い部分が多いのが問題。中でも、盲目の少年が車にはねられて死ぬ事件・事故が余りに唐突に出てきてお粗末。大森氏と岡田君が現場で大騒ぎするが、どうして警察が事故を梨沙嬢と関連付けられたか全く解らないのである。録画を見直してみたが、やはり解らない。最終的にこれが彼女を追い詰めていくのだから、この事件以降が全く乗れないことになる。
しかも、あれほど狂気に満ちた彼女にしては理に落ちる感じの幕切れで、相当がっかりさせられる。大山鳴動して鼠一匹というやつである。僕の集中力・理解力に問題がないとは言わないが、お話の繋ぎに大きな難があるのは否定できない。
日本は伝統的にSF映画は駄目じゃね。
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