映画評「エベレスト」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2015年アメリカ=イギリス=アイスランド合作映画 監督バルタザール・コルマウクル
ネタバレあり
1996年5月に起きたエヴェレスト遭難事故を描いた劇映画である。個人的に一番忙しかった時期に当たるためか、この事故は記憶していない。
ニュージーランドの企業に雇われている探検家ロブ・ホール(ジェースン・クラーク)に率いられ、8人のアマチュア登山家が登頂を目指し、日本人で紅一点・難波康子らが成功するが、結局このグループからホールや難波女史を含めて4人が下山中に嵐に遭って死亡する。このグループのうち医師のベック・ウェザーズ(ジョシュ・ブローリン)は生還するが、酷い凍傷で手と鼻を失う。同時に登っていた商業登山のグループのうちホールの同業者スコット・フィッシャー(ジェイク・グレンホール)も亡くなる。
お話だけを追えば抜群に面白いとは言いにくい。しかし、僕は映画館で観たと想像して採点をしてみた。どでかいスクリーンで観たら本当の登山の現場にいるような、山の威容に感動したであろうと感じられたからである。
この手の遭難もの御用達監督になりつつあるアイスランドの監督バルタザール・コルマウクルが即実的に展開させ頗る実感があるが、一般の人は作られたものに感動する癖があるようで、本作の即実的なアプローチには厳しい評価が目立つ。確かに派手さがなく表面的には面白味が薄い・・・というより、人物が大勢出てきて混乱する為お話を追う気になりにくい。しかるに、この素材ではこれ以上の作り物めいた脚色は不要で、変えるとしたら人物関係の整理だろう。
余り凝ってもいないけど、名前は凝りまくる監督。
2015年アメリカ=イギリス=アイスランド合作映画 監督バルタザール・コルマウクル
ネタバレあり
1996年5月に起きたエヴェレスト遭難事故を描いた劇映画である。個人的に一番忙しかった時期に当たるためか、この事故は記憶していない。
ニュージーランドの企業に雇われている探検家ロブ・ホール(ジェースン・クラーク)に率いられ、8人のアマチュア登山家が登頂を目指し、日本人で紅一点・難波康子らが成功するが、結局このグループからホールや難波女史を含めて4人が下山中に嵐に遭って死亡する。このグループのうち医師のベック・ウェザーズ(ジョシュ・ブローリン)は生還するが、酷い凍傷で手と鼻を失う。同時に登っていた商業登山のグループのうちホールの同業者スコット・フィッシャー(ジェイク・グレンホール)も亡くなる。
お話だけを追えば抜群に面白いとは言いにくい。しかし、僕は映画館で観たと想像して採点をしてみた。どでかいスクリーンで観たら本当の登山の現場にいるような、山の威容に感動したであろうと感じられたからである。
この手の遭難もの御用達監督になりつつあるアイスランドの監督バルタザール・コルマウクルが即実的に展開させ頗る実感があるが、一般の人は作られたものに感動する癖があるようで、本作の即実的なアプローチには厳しい評価が目立つ。確かに派手さがなく表面的には面白味が薄い・・・というより、人物が大勢出てきて混乱する為お話を追う気になりにくい。しかるに、この素材ではこれ以上の作り物めいた脚色は不要で、変えるとしたら人物関係の整理だろう。
余り凝ってもいないけど、名前は凝りまくる監督。
この記事へのコメント
登攀模様や生き死になどどこ吹く風、
威風堂々のエベレストの景観は
さすがによく撮られていたかと。
そびえ立つ山々、自然の寡黙さに
圧倒されてそれだけで私はお腹いっぱい。(笑)
多大なる元手かけてあんなに順番待ちして・・
「冒険はやればやるだけ喉が乾いてキリがない」
山登り好きの知人のお言葉。↗︎
冒険も欲のあらわれ、ですからね。^^;
たくさんの登山隊が同時に上るので、順番待ちやらでけんかになってたり、主役になるチームも、何度も登山経験のある人が参加してる割には準備不足に見えたり、現実は意外とああなのかなあと???になりました、これは私が登山と縁遠いので何も知らないせいもあります。
天候が急変してからは、とにかく降りないとだめですよね。でも、劇中では、子供たちのくれた旗を頂上に立てたいという、おそらくこの機会を逃したらもう登山することはない人の熱望にリーダーがほだされてしまっていました。観ていると、そうしたい気持ちがわかるだけに、複雑な気分になったです。
>エベレストの景観
その威容につきますよね。
人間ドラマがどうのこうの言っている意見を読みましたが、固定観念につきまとわれているような気がします。
この映画はぐちゃぐちゃした人間の物語ではなく、自然の中の人間の小ささを見るものでしょう。
>「冒険はやればやるだけ喉が乾いてキリがない」
実際にやった人ではないと、なかなか出て来ない言葉かもしれません。
>登山
僕も全く解らないですねえ。
商業登山の始まりの頃で、まだノウハウが足りなかったのでしょうか。
今でも登山は事故が多いですが。
>リーダー
もっとドライになるべきだったのでしょうが、自分も冒険家で他人の気持ちが解りすぎたのでしょうね。それ故の悲劇でした。