映画評「ザ・スクワッド」

☆☆★(5点/10点満点中)
2015年フランス=イギリス合作映画 監督バンジャマン・ロシェ
ネタバレあり

何と3年前に観た英国製刑事映画「ロンドン・ヒート」のフランス製(一応英国との合作扱い)リメイク。1980年代以降日本と並んでネタ供給国であったフランスよお前もか、てなもんである。
 一週間もすれば忘れてしまうようなお話なので、それなりに面白く観られたが、「ロンドン・ヒート」映画評を読み返したらお話は全くそのものである。

舞台は勿論パリに変えられ、荒っぽい捜査の為に上司に嫌われて解散されそうな特殊捜査班を率いているジャン・レノは、そんなことはお構いなしに今回も宝石強奪事件を捜査している。
 かつて掴まえたことのあるヤコブ・セーダーグレンの犯行と思って強引に拘束するが、殺害された女性が犯人グループの一味でどうも関係ないらしいと判って釈放、その責任により新たに発生した事件の対処を禁じられる。
 それでもまた飛び出して街中で大捕物を演ずるが、その際に上司の妻であり不倫相手でもある部下カテリーナ・ムリーノを失ってしまう。遂には上司の個人的怒りを買って拘束されてしまうが、拘束を解かれるや、またまたセーダーグレンと対峙することになる。

昔のフランス映画なら2時間くらいかかりそうなお話を正味90分弱で展開するのだからスピード感を感じる一方で、物足りなさが残る。特に、セーダーグレンをめぐるミステリー的部分が、20分ほど長いオリジナルに比べてまるで呆気ない。全体的に腰が弱い。実感という意味でもオリジナルに劣る。多分ジャン・レノが目立つような格好になっているからだろう。

「ロンドン・ヒート」 観ていなければ 観ても良い

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