映画評「スノーホワイト/氷の王国」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年アメリカ映画 監督セドリック・ニコラス=トロイヤン
ネタバレあり

他ジャンルとのハイブリッド化が目についただけで面白くなかった「スノーホワイト」の前日談から始まり、後日談になるという変則ぶりが一応興味深い続編である。

まずは前日談。
 後年スノーホワイトたちに滅ぼされることになるラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)には妹フレイヤ(エミリー・ブラント)がいて、恋人との間に子供ができ、どこぞへと出て行こうとするが、相手が子供を殺した為、秘めていた能力を発揮して相手を凍らせ破壊してしまう。その後フレイヤは女王として君臨、子供を駆り集めて訓練、強力な軍隊を作り、王国を拡張する。

今回は他のファンタジー作品とのハイブリッド作戦で、「スノーホワイト」と「雪の女王」と言うかディズニー・アニメの「アナと雪の女王」とをハイブリッドしたような内容になり、おまけにこれから紹介する後日談では「ホビット」シリーズとを合わせた感じも出て来る。ハイブリッド化は面白くなることも少なくないが、一種のネタ不足回避策として白けかねない弊害もある。

さて、その後日談。
 育てられた兵隊の中に逞しいエリック(クリス・ヘムズワース)と弓矢の名手たる美女サラ(ジェシカ・チャステイン)がいて、二人は恋に落ち、やはり駆け落ちを考える。今度は、かつて同じ憂き目に遭ったフレイヤが邪魔してサラを殺す(ように見せかける)。
 同じく死んだと思われたエリックは失意のまま彷徨するうち、スノーホワイトが聖域に収めようとした鏡が行方不明になったのを探す仕事を請け負うことになる。二人のドワーフと協力するうち、実は死んでいなかったサラと再会、女性のドワーフ二人を加えた一行は遂に鏡を発見するが、結局鏡に潜んでいたラヴェンナがフレイヤの許で蘇る。

今更文句を言っても始まらないハイブリッド化を利用したお話は、前回よりも上手く行っていて、多少面白く観られる。しかし、日本の子供向けアニメより余程子供っぽいお話は、お話が進行するにつれて児戯に類する印象を強くし、終盤のチャンバラになると退屈感が先に立ってくる。

しかし、フレイヤの子供を巡る真実と、彼女が自分が子供をあやしている様子を想像する部分にはじーんとさせられ、姉ラヴェンナの非道と相まって、ここだけは秀逸と言って良い。

アメリカのYAを主たるターゲットにしていると思われるが、その推測が正しいのであれば、かの地の平均的YAは日本の小学生よりおつむが弱いのではないかと感じてしまう。

氷の女王は、今回はロシアでないロシアか。オリンピックのフィギュア・スケートのことじゃよ。

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  • 「スノーホワイト/氷の王国」

    Excerpt: シャーリーズとエミリーの姉妹の話かと思ってたよ。 Weblog: 或る日の出来事 racked: 2018-02-17 16:38
  • 『スノーホワイト/氷の王国』('16初鑑賞53・劇場)

    Excerpt: ☆☆☆★- (10段階評価で 7) 5月28日(土) OSシネマズ神戸ハーバーランド スクリーン9にて 11:30の回を鑑賞。2D・字幕版。 Weblog: みはいる・BのB racked: 2018-02-19 13:29
  • 「スノーホワイト 氷の王国」

    Excerpt: 前作「スノーホワイト」を観た訳でもないのに、何故この作品を観ようと思ったのか…?私って実はクリス・ヘムズワース好きだったんだなぁ…いや、そんなはずは…、などとかなり自問自答しつつ鑑賞。どうしてこの作品.. Weblog: ここなつ映画レビュー racked: 2018-02-19 14:07