映画評「ブラッド・ファーザー」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年フランス映画 監督ジャン=フランソワ・リシェ
ネタバレあり

誘拐された娘の為に奮闘する父親を描くアクションは、幾つも作られている。近年では「96時間」という佳作、ブルース・ウィリス絡みの「コードネーム:プリンス」などという愚作が思い出される。

17歳の不良娘エリン・モリーアティが実はメキシコ麻薬ギャングの一族ディエゴ・ルナと親しくなった結果、その犯罪に巻き込まれ、逆にルナを射殺、その子分に追われ、仮出所中でトレーラーハウスに住んでいる父親メル・ギブスンに頼ることになる。
 彼は仮出所中につき麻薬を含め一切の犯罪に関わりたくないが、ギャングが実際に襲ってきた為トレーラーハウスから逃げ出し、モーテルに泊まったり、「ワイルド・エンジェル」に出てきた連中のなれの果てのような元のバイク仲間マイケル・パークスに頼るも、結局は追い出され、映画館で実は生きていたルナの一味に捕えられた娘を奪還する為に単身救出に向かう。

この父親は類似作品「96時間」の父親に比べると相当うらぶれているが、はちゃめちゃな娘との関係に少しユーモアがあり、台詞も原作ものらしく気の利いたものがあって、ディテイルは楽しめる。

が、全体としては奪還アクションの型通りの内容で、観ていてさほど気勢が上がらない。特に、ギャングや警察といった追跡者が現れると車のエンジンがかからないという定石を繰り返す前半は、知恵のなさが目立つ。

「96時間」同様見かけはアメリカ映画ながら実はフランス映画で、監督もフランスのジャン=フランソワ・リシェ。この監督は割合見やすいカット割りをするが、後半多少盛り返すとは言え、この程度のお話では実力発揮とは行かない。しかし、ギブスン絡みのオマージュが多いので、彼の主演映画がお好きな人には楽しめるだろう。

北米の人しか出てこないのにフランス映画と言われてもなあ。

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