映画評「ライフ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督ダニエル・エスピノーザ
ネタバレあり

観る前にSFホラーという情報だけを得たが、事前に予想したファウンド・フッテージもののようないかにもお安いタイプの作品ではなく、画面になかなかの高級感があり、SF的にも結構本格的な見せ方をしている印象がある。☆☆☆に留めたものの、期待していなかった分拾い物という気持ちになる。

細かい梗概を書かなくても良いくらいな簡単なお話。

舞台は国際宇宙ステーション(ISS)。英米露日6人の宇宙飛行士、具体的には検疫官レベッカ・ファーガスン、医師ジェイク・ギレンホール、航空エンジニアのライアン・レーノルズ、システム・エンジニア真田広之、司令官オルガ・リホヴィチナヤ、生物学者アリヨン・バカレが、火星から帰還した無人探査機に微生物を発見、研究を始める。
 ところが、この微生物が炭化物を吸収して次第に大きくなり、やがて器具を操作するバカレに取りつき、それを利用して外部へ出て、人を襲うなどしてクリオネとタコを併せたような生物になり、飛行士たちを恐怖におののかせる。彼らは地球に持ち込ませてはいけないと、自分の命を賭しながら様々な対策を取っていく。

一言で言えば「エイリアン」(1979年)の宇宙ステーション版で、より現在の実際に近い設定と言うことが出来る。サスペンスは「エイリアン」ほど強烈ではないが、機外でエイリアンに取りつかれた司令官が機内に入らせないように自分の命を犠牲にしたり、地球に持ち込ませないように救出機二機を活用するなど「エイリアン」になかった工夫も、面白く観られる理由となっている。
 感傷・感情がサスペンスを阻害するところもあるが、この作品くらいなら適度なアクセントになるので敢えて文句を言うには及ばない。最後は一種のどんでん返しである。

監督は前回の「チャイルド44 森に消えた子供たち」がなかなか面白かったダニエル・エスピノーザ。

僕は余り見ていないが、クローズド・サークルものホラーが多いらしいですな。観客にとっては極限状況による面白味があり、製作者にとっては資金が節約できる魅力があるということじゃろ。

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