映画評「レディ・プレイヤー1」
☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督スティーヴン・スピルバーグ
ネタバレあり
スティーヴン・スピルバーグは、極めてサブカルチャー的な素材については、製作に回って自ら監督に当たることはなかったが、アーネスト・クラインのSF小説「ゲームウォーズ」(原題は本作に同じ)の映画化では自ら担当した。
しかし、面白味の多くをサブカルチャーやポップ・カルチャーに関する知識量に依拠するであろう本作は、僕に語る資格がない。何しろコンピューター・ゲームはトランプ以外にしたことがなく、アニメは40年来観たことがない(映画用のオリジナル・アニメを除く)。
この映画の中で解るのは映画と音楽に関する蘊蓄だけで、逆に「市民ケーン」(1941年)からの引用“ばらのつぼみ”など古い映画に属するものは少年たちには何のことか全く解らんだろうと思う。
荒廃した2045年の世界では、誰もがVR(仮想現実)オアシスの中に入り込んで、自ら決めたアバター(分身)として活躍することができる。が、創設者ハリデー(マーク・ライランス)が亡くなり、彼の仕掛けたイースター・エッグを発見したものに全てを相続すると遺言を残したものだから世界中の人々がこれにのめり込む大騒ぎ。17歳の若者パーシヴァルことウェイド(タイ・シェリダン)もその一人で、VRの中で知り合う様々なキャラクター中でも美少女アルテミスことサマンサ(オリヴィア・クック)と力を併せ、陰謀を企む大手企業IOIの攻撃をかわしつつ、必要な三つの鍵(謎解き)を手に入れる冒険を繰り広げる。
コンピューター・ゲームというものの感覚が殆ど解らないのでお手上げ状態なのだが、そんな僕が面白味を感じるとすれば、仮想現実の世界と現実がクロスオーバーするところで、特にVR用ゴーグルを被って少なからぬ人々が一斉に様々な挙止をするところなどがある意味不気味で興味深い。
この作品の普遍性と言えば、 “現実から逃げるな” “他人との絆を大事にしろ” と最終的に打ち出されるテーマ設定くらい。これとて棺桶組には余り有難くない説教みたいなもので、いかにも子供や若者向けという感想を抱かせる。いずれにしても、滑らかで誠に上手い語りぶりをご贔屓理由にしているスピルバーグが担当するには、余りにがちゃがちゃしていてふさわしくなく、ゲーム音痴の僕には退屈でありました。
「淑女プレイヤー」なのかと思いましたよ。観終わった後もピンと来ないタイトル。
2018年アメリカ映画 監督スティーヴン・スピルバーグ
ネタバレあり
スティーヴン・スピルバーグは、極めてサブカルチャー的な素材については、製作に回って自ら監督に当たることはなかったが、アーネスト・クラインのSF小説「ゲームウォーズ」(原題は本作に同じ)の映画化では自ら担当した。
しかし、面白味の多くをサブカルチャーやポップ・カルチャーに関する知識量に依拠するであろう本作は、僕に語る資格がない。何しろコンピューター・ゲームはトランプ以外にしたことがなく、アニメは40年来観たことがない(映画用のオリジナル・アニメを除く)。
この映画の中で解るのは映画と音楽に関する蘊蓄だけで、逆に「市民ケーン」(1941年)からの引用“ばらのつぼみ”など古い映画に属するものは少年たちには何のことか全く解らんだろうと思う。
荒廃した2045年の世界では、誰もがVR(仮想現実)オアシスの中に入り込んで、自ら決めたアバター(分身)として活躍することができる。が、創設者ハリデー(マーク・ライランス)が亡くなり、彼の仕掛けたイースター・エッグを発見したものに全てを相続すると遺言を残したものだから世界中の人々がこれにのめり込む大騒ぎ。17歳の若者パーシヴァルことウェイド(タイ・シェリダン)もその一人で、VRの中で知り合う様々なキャラクター中でも美少女アルテミスことサマンサ(オリヴィア・クック)と力を併せ、陰謀を企む大手企業IOIの攻撃をかわしつつ、必要な三つの鍵(謎解き)を手に入れる冒険を繰り広げる。
コンピューター・ゲームというものの感覚が殆ど解らないのでお手上げ状態なのだが、そんな僕が面白味を感じるとすれば、仮想現実の世界と現実がクロスオーバーするところで、特にVR用ゴーグルを被って少なからぬ人々が一斉に様々な挙止をするところなどがある意味不気味で興味深い。
この作品の普遍性と言えば、 “現実から逃げるな” “他人との絆を大事にしろ” と最終的に打ち出されるテーマ設定くらい。これとて棺桶組には余り有難くない説教みたいなもので、いかにも子供や若者向けという感想を抱かせる。いずれにしても、滑らかで誠に上手い語りぶりをご贔屓理由にしているスピルバーグが担当するには、余りにがちゃがちゃしていてふさわしくなく、ゲーム音痴の僕には退屈でありました。
「淑女プレイヤー」なのかと思いましたよ。観終わった後もピンと来ないタイトル。
この記事へのコメント
スピルバーグがこういうサブカルチャーがお好きなのは分かりますが、殆どテクニックが必要もないような内容(笑)で、御本人が出て来るまでもないような気がしますね。