映画評「スイス・アーミー・マン」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年アメリカ=スウェーデン合作映画 監督ダニエル・クワン、ダニエル・シュナイナート
ネタバレあり
長い間もう新しいお話なんて出て来ないのではないかと思ってきたし、全体としてその考えに変わりはないが、こういう興味深いお話を見せてくれる作品もたまに見られる。
無人島に漂着して孤立無援の為に死のうとした若者ポール・ダノが、漂着した死体(?)ダニエル・ラドクリフを発見、死ぬのを止める。完全には死んでいないらしい死体はおならを推進力にモーターボートのように移動、二人?は別の土地に辿り着く。
死体もどきは口から水を吐いて水道代わりになり、やがてまともに言葉を発するようになる。人間としての知識は皆無に近いのでダノ君が彼に恋愛などの概念を教え込むうちに、やがて自分たちが人家に近いことを知り、程なく救出される。
ラドクリフが警察によって死体として処理されるのを嫌って二人?で逃げ出すと、衆人の前で死体君はおならを使って自ら沖へと去って行く。
即物的に語ると、死体が、ダノ君が勝手に懸想していた人妻(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の家に彼を送り届けるというお話で、スマホによって彼女に全てが明らかにされることで彼の心は一種の呪縛から解放される。死体君はジャンル映画的に言えばゾンビだが、元々人妻の家の周囲を徘徊していて精神的混乱に陥ったダノ君の幻想と考えるのが正しいのだろう。最初の島も実は近くの海岸だったのではないだろうか?
そう考えると、幻想の力を借りることで彼が克己して人妻への思いから解き放たれる話であり、死体君が海に出て行くのはその寓意であるわけで、青春映画という理解も成り立つ。
監督はダニエル・シュナイナートとダニエル・クワンの二人組で、ショットの処理に出身であるミュージック・ビデオらしいポップな感覚が随所に見られる。但し、気色悪いところが多いので、☆は掲記くらいに留めたい。
因みに、タイトルはスイス・アーミー・ナイフ(十徳ナイフ)並みに色々と便利に使える男という意味。
ダニエル二人組どころか、三人組ではないか。
2017年アメリカ=スウェーデン合作映画 監督ダニエル・クワン、ダニエル・シュナイナート
ネタバレあり
長い間もう新しいお話なんて出て来ないのではないかと思ってきたし、全体としてその考えに変わりはないが、こういう興味深いお話を見せてくれる作品もたまに見られる。
無人島に漂着して孤立無援の為に死のうとした若者ポール・ダノが、漂着した死体(?)ダニエル・ラドクリフを発見、死ぬのを止める。完全には死んでいないらしい死体はおならを推進力にモーターボートのように移動、二人?は別の土地に辿り着く。
死体もどきは口から水を吐いて水道代わりになり、やがてまともに言葉を発するようになる。人間としての知識は皆無に近いのでダノ君が彼に恋愛などの概念を教え込むうちに、やがて自分たちが人家に近いことを知り、程なく救出される。
ラドクリフが警察によって死体として処理されるのを嫌って二人?で逃げ出すと、衆人の前で死体君はおならを使って自ら沖へと去って行く。
即物的に語ると、死体が、ダノ君が勝手に懸想していた人妻(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の家に彼を送り届けるというお話で、スマホによって彼女に全てが明らかにされることで彼の心は一種の呪縛から解放される。死体君はジャンル映画的に言えばゾンビだが、元々人妻の家の周囲を徘徊していて精神的混乱に陥ったダノ君の幻想と考えるのが正しいのだろう。最初の島も実は近くの海岸だったのではないだろうか?
そう考えると、幻想の力を借りることで彼が克己して人妻への思いから解き放たれる話であり、死体君が海に出て行くのはその寓意であるわけで、青春映画という理解も成り立つ。
監督はダニエル・シュナイナートとダニエル・クワンの二人組で、ショットの処理に出身であるミュージック・ビデオらしいポップな感覚が随所に見られる。但し、気色悪いところが多いので、☆は掲記くらいに留めたい。
因みに、タイトルはスイス・アーミー・ナイフ(十徳ナイフ)並みに色々と便利に使える男という意味。
ダニエル二人組どころか、三人組ではないか。
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