映画評「デッドプール2」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督デーヴィッド・リーチ
ネタバレあり
マーヴェル・コミックスの異端作品映画化第2弾。
敵に愛するヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を殺され絶望するデッドプールことウェイド(ライアン・レイノルズ)が、ミュータント孤児院での暮らしに大いなる憤りを覚えてテロを起こした少年ラッセル(ジュリアン・デニスン)を無事に庇護するが、少年の告白に怒って施設関係者を殺したことから二人揃って刑務所の人になる。そこへ妻子を将来ラッセルに殺されるこ未来人間ケーブル(ジョシュ・ブローリン)がそれを食い止める為に殺しにやって来る。
運良く刑務所から逃亡することが出来たデッドプールは超人たちを募ってXフォースなる団体を創設、ラッセルの性格を確定させてしまう院長殺しを阻止すべく悪戦苦闘、少年を殺そうとするケーブルと一時的に協定を結んで呉越同舟の作戦を開始、さあどうなるか。
というお話で、前作同様にマーヴェルのセルフ・パロディーを含めたパロディーのオンパレードなのだが、小ネタに終始した感のある前作に比べて、今回は「ターミネーター(2)」の筋書きを戴いた為にお話自体の土台がしっかりし、結果的にアクションや視覚上の見せ場が多くなって、全体として楽しめるのである。悲劇性があってもそれ自体にお笑いに感じさせるだけの力を有しているから気勢が殺がれることもない。
その他小ネタも無数にあるから(一々挙げる必要はない)、映画をたくさん見ている人には相当受けるだろう。観ていない人には可笑し味が全く伝わらないわけだが、前回と違って土台がしっかりしているので知らなくても一応は楽しめる。
映画製作に言及する“楽屋落ち”、演劇用語で言えば“第4の壁を破る箇所”が前回よりずっと多く、メタフィクション的な作りが前回より強化されている為、個人的には相当ニヤニヤさせられた。何だかんだ言っても、マーヴェル作品には良い脚本が上がってくる(それでも余り作られ過ぎないほうが有難味という点で良いのは間違いない)。
ヒーローと言えば、イチローの引退試合を終わるまで観た。もらい泣きしてしまった。一番のご贔屓である松井秀喜の時も泣かなかったのに。50歳までやってほしかった、などと無責任なことは言えない。
2018年アメリカ映画 監督デーヴィッド・リーチ
ネタバレあり
マーヴェル・コミックスの異端作品映画化第2弾。
敵に愛するヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を殺され絶望するデッドプールことウェイド(ライアン・レイノルズ)が、ミュータント孤児院での暮らしに大いなる憤りを覚えてテロを起こした少年ラッセル(ジュリアン・デニスン)を無事に庇護するが、少年の告白に怒って施設関係者を殺したことから二人揃って刑務所の人になる。そこへ妻子を将来ラッセルに殺されるこ未来人間ケーブル(ジョシュ・ブローリン)がそれを食い止める為に殺しにやって来る。
運良く刑務所から逃亡することが出来たデッドプールは超人たちを募ってXフォースなる団体を創設、ラッセルの性格を確定させてしまう院長殺しを阻止すべく悪戦苦闘、少年を殺そうとするケーブルと一時的に協定を結んで呉越同舟の作戦を開始、さあどうなるか。
というお話で、前作同様にマーヴェルのセルフ・パロディーを含めたパロディーのオンパレードなのだが、小ネタに終始した感のある前作に比べて、今回は「ターミネーター(2)」の筋書きを戴いた為にお話自体の土台がしっかりし、結果的にアクションや視覚上の見せ場が多くなって、全体として楽しめるのである。悲劇性があってもそれ自体にお笑いに感じさせるだけの力を有しているから気勢が殺がれることもない。
その他小ネタも無数にあるから(一々挙げる必要はない)、映画をたくさん見ている人には相当受けるだろう。観ていない人には可笑し味が全く伝わらないわけだが、前回と違って土台がしっかりしているので知らなくても一応は楽しめる。
映画製作に言及する“楽屋落ち”、演劇用語で言えば“第4の壁を破る箇所”が前回よりずっと多く、メタフィクション的な作りが前回より強化されている為、個人的には相当ニヤニヤさせられた。何だかんだ言っても、マーヴェル作品には良い脚本が上がってくる(それでも余り作られ過ぎないほうが有難味という点で良いのは間違いない)。
ヒーローと言えば、イチローの引退試合を終わるまで観た。もらい泣きしてしまった。一番のご贔屓である松井秀喜の時も泣かなかったのに。50歳までやってほしかった、などと無責任なことは言えない。
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