映画評「アクアマン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督ジェームズ・ワン
ネタバレあり

マーヴェル・コミックスかと思ったらDCコミックスであった。現在アメ・コミの映画版は多すぎて余程うまく作らないと得点は伸びません。

海に沈んだアトランティス大陸の末裔である女王アトランナ(ニコール・キッドマン)が束縛を嫌って王国を抜け出し、灯台守トム(テムエラ・モリスン)と結ばれ、息子アーサーを生むが、王国からの攻撃を避ける為に祖国に戻る。父親の違う次男オームを生んだ後地上での経験が発覚して海溝へ生贄として投げ込まれる。
 現在。王様となったオーム(パトリック・ウィルスン)は海を汚す地上の人間は怪しからんと攻撃を準備し、地上の人間とのハーフであるアーサー(ジェースン・モモア)はそうはさせじと乗り込んでいく。

真の王様になるには、海溝に据えられている剣トライデントを抜く必要があり、それに絡む冒険も色々とある。地上や宇宙での戦いが多い中、海中に目を付けたのは良いと褒めたいが、やっていることは地上は勿論宇宙と大して変わらない。彼らにとって海中での生活は我々の地上でのそれと変わらないから海を舞台にした効果が殆どないのでござる。

しかも、名前が如実に示すようにアーサー王伝説に則ったところがあるのも戦前の作品からアーサー王ものを腐るほど観て来た年寄りには有り難くない。どこを切っても型通りという印象で、至極退屈なわけです。お話を離れれば、序盤のカメラワークが面白いが、カメラワークというより実際には殆ど何でも自在にできるVFXの貢献ですからシラケます。

アンバー・ハード演ずるオームの許嫁メラ。映画の中でもポリ・コレ全盛のアメリカらしく大活躍です。実社会でも女性が男性以上に活躍するのは良い、しかし、昔言ったことを根拠に或る人の栄誉を無にするのはけしからんと僕は思うよ。時代の感覚が違うのだから。

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