映画評「アイ・アム・タレント」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年南アフリカ=アメリカ合作映画 監督ナタリー・ジョンズ
ネタバレあり

スケート・ボードが本日初めてオリンピックに登場。今日は男子ストリートという種目が行われる。それを記念にて本稿をアップ(殆ど偶然だけれど)。

タレントというのは、文字通りタレント溢れるスケートボーダーの名前である。
 9歳の時に家を出てホームレスとなり、スケートパークで技術を磨く。彼がハイティーンになってのスケーティングを見たプロスケーターのケニー・アンダースンに呼ばれた米国で、少年は技術ばかりでなく様々なことを習得していく。

この映画が言わんとすることは、選手においては能力を最大限発揮して、自分に満足することが重要ということ。
 それに加えて、タレント君はアメリカへ行って、読み書きを本格的に習い、自動車免許取得を目指す。彼はそれが何故必要か当初疑問に思うが、やがてそれが生きていく上で必要であることを自得するのである。
 これは人生において普遍的な考えで、今勉強しつつそう思っている若い方に理解して貰いたい。

このように成長譚として観るべきところがあるとは思うが、スケート・ボードが好きな人以外は観なくても良いだろう。僕ら以上の世代でスケート・ボードが実際にやるとか好きであるとかいう人はなかなかいないだろうから、弊ブログにいらっしゃる皆様にはお薦めしかねる。
 また、僕は総合芸術として映画を観るので、カメラや音楽より内容というインタビュー型ドキュメンタリーは書いていて誠に面白くない。

国語を学んで主題その他を学校で習うほどまでに理解できる必要があるのかという疑問を聞いたことがある。しかし、例えば小説の登場人物の心理を読めれば、実社会でも相手の心理を察することができるようになる。ある作家が(政治で使われる意味での)忖度が増えるだけと言っていたが、それは人次第であるから、適当な意見は言えないだろう。

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