映画評「ガンズ・アキンボ」

☆☆(4点/10点満点中)
2019年イギリス=ニュージーランド=ドイツ合作映画 監督ジェイスン・ハウデン
ネタバレあり

ゲームのプログラマーを仕事とする草食男子ダニエル・ラドクリフが、その本質に反してネット上で過激な言動を繰り広げるうち、スキズムという個人の対決を見せるサイトの管理者ネッド・デネヒーの怒りを買って一味に襲われる。昏倒から眼を醒ますと、両手に大型拳銃を打ち付けられ、彼らにけしかけられた女殺し屋サマラ・ウィーヴィングと対決する羽目になる。

というお話は、年を取って現実的な内容のほうが面白く見られるようになった棺桶片足組には、楽しめない。元来ゲーム(感覚ではなく)そのもののような映画に否定的だが、そこに加え、見た目の汚らしい連中が次々と出て来るので、益々気が乗らない。

映画の中で “仮想現実の中にいるよう” と言う主人公の独白そのものが、この映画の内容を表現している。現実を感じさせないものを楽しめる人は幸せると、僕は思う。
 敢えて面白さを探すとすれば、文字通り肉を食べない草食系男子が暴力と肉食に目覚めるところだろうか。

細切れに近いショット群の中に時々カメラを振るなど、撮影にはちょっと工夫があるが、特段褒めたいほどではない。

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッド同様、「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフも、大ヒット・シリーズの後伸び悩んで、お安い映画でエキセントリックな役柄を演ずるようになっている。大ヒット・シリーズというものもなかなか罪深いものがある。

ゲームのような映画だからと言って、ゲーム感覚があるとは限らない。僕の言うゲーム感覚とは登場人物の必要以上の感情を排除しながらもぐっと地に足のついたなもの。例えば、人の死に一々恐怖を伴わないものはダメなのだ。

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