映画評「PLAY 25年分のラストシーン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年フランス映画 監督アントニー・マルチアーノ
ネタバレあり

一種のメタフィクション(ここではメタフィクションを扱う映画という意味)であり、モキュメンタリーである。やっていることは面白い、しかし、お話はさほどではない、というのが僕の結論である。

38歳の俳優マックス(マックス・ブーブリル)が13歳から現在まで25年間撮り溜めたホームビデオの類を一代記として作品にまとめてようとしている内容で、その間に娘を設けた妻と別れたりするのだが、遂には初恋の幼馴染エマ(アリス・イザーズ)にきちんと向き合って結ばれる、という恋愛映画として終結する。

とりわけ終盤部分にメタフィクション的な面白味が詰まっているし、画面がビデオ風からデジタルにかわり、スマホ撮影風(実際にスマホ撮影かもしれない)の素材も織り交ぜて、画面の変化を楽しませるのは悪くない。

製作会社のロゴ表示部分から既にビデオ映像風になっているという洒落っ気もあるが、映す内容が社会風俗の変化を伺わせこそすれ、殆ど個人的な出来事に留まっているので、お話の面白味は限定的。アメリカ映画なら9・11やオバマ大統領誕生などを画面に出して社会情勢の変化を見せて、もっと内容に幅を与えたと思う。必ずしもそうしたものを見せるのが良いとも思わないが、フランスの青少年は下ネタにしか興味を持たないのかと思えるほど下卑た小ネタが多く、少々呆れた。

主演のマックス・ブーブリルが監督のアントニー・マルチアーノと共同で脚本を書いている。

監督の名前は、イタリア系なので、映画サイト等が表記しているフランス語ではなく、イタリア語表記にした。

この記事へのコメント

モカ
2022年01月15日 20:11
こんにちは。

>アントニー マルチアーノ 

 こも方の国籍も居住地も知りませんが、イタリア系ならアントニーではなくて、
「Antonio 」がAnthonyのイタリア語バージョンになりますね。

 荒このみ先生が「風と共に去りぬ」の解説講義でおっしゃっていましたが、この本の場合はアメリカでのフランス語の名前の読みの問題ですが、これが結構難しいようです。
 実際アマゾンのレビューにも「フランス系の名前を英語読みに表記しているからこの訳者はだめだ」みたいな意見も散見されます。荒先生は名前がフランス系であることぐらいは百も承知の上での英語読みカタカナ表記をされているのですが。
念のためアメリカの知り合いの2、3の言語学者にも問い合わせられましたが意見は分かれたようです。
つまりどちらが正しいとか間違っていると言う事はないようです。

 アントニオと言えば猪木かバンデラス ^_^

昔日伊会館にちょっとだけイタリア語を習いに行ったことがありまして…
大体、男性名はOで終わり女性名はAで終わります。複数はIで終わるのアントニオーニはアントーニオ家ですかね?
オカピー
2022年01月15日 21:13
モカさん、こんにちは。

>アメリカでのフランス語の名前の読みの問題ですが、これが結構難しいようです。

そう思いますよ。
 僕は自分のルールで、ファースト・ネームは生まれた国の発音(アメリカならアメリカ)、ファミリー・ネームは名前の母国でと、ほぼ統一しているんです。
”ほぼ統一”なのは、イングリッド・バーグマン(母国スウェーデンはベルイマン)みたいに有名すぎる人は、例外としているからです。

今回のケースはアル・パチーノと同じですね。雑誌「ロードショー」は暫くアル・パシーノと言っていましたが、本人の発音を原則採用しているらしい「スクリーン」はパチーノとし、現在はパチーノに統一されています。

僕は、フランス映画なので、イタリア系フランス人と踏みましたが、フランスでアントニーはアントワーヌですから、違うかもしれませんし、スペインにも同じ苗字がありますから、そうなるとマルシアーノのようになるのかな?(スペイン語はちとややこしい。VをBで発音する場所が多いなど)。

で、フランスのWikipediaで調べたら、国籍はフランスですね。

太字の記述は、少し説明不足だったかもしれませんが、あくまでファミリー・ネームの話です。

何故こんなルールを考え出したかと言えば、昔テニスにミヒャエル・シュティッヒという選手がいて、全米オープンの時に、マイケル・シュティックと紹介されていたのが気になって。
 あるいは日本のTV局で、スウェーデンのエドベリは一時期英語発音のエドバーグと言われ、次第にエドベリに統一された経緯もあり、ファースト・ネームはともかくファミリー・ネームは母国の発音が良いよな、と思ったわけです。アメリカは人種のつるぼだけに余計に、何系か解るのは重要かと。とは言え、Michaelという名のドイツ系アメリカ人をミヒャエルというのは余りに変ですし。折衷案ですよ。
 漢字を日本語風に読むか中国あるいは韓国の発音で読むみたいなものです。金大中(きんだいちゅう)は今キム・デジュンというように。

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