映画評「ゴジラvsコング」
☆☆★(5点/10点満点中)
2021年アメリカ映画 監督アダム・ウィンガード
ネタバレあり
小学生時代の1960年代後半に怪獣映画はピークを迎えたが、その当時から余り興味がなかった。TVの「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」はさすがに観た。そういう僕であるから、頻繁に作られすぎる「ゴジラ」は食傷気味なのである。アメリカ生まれの「キング・コング」はまだ多少興味が湧くので、気を取り直して観たが、今一つ。
1962年に東宝が作った「キングコング対ゴジラ」のリメイクに相当するようだ。
お話は暫く3つのグループに分かれて進行する。
一つ目は、キングコングを捕獲して研究を続けるレベッカ・ホールなど研究所モナークの人々がコングの扱いに困った末に、アレクサンダー・スカルスガルドの研究分野である地球の空洞がコング(やゴジラ)の故郷ではないかと考え、そこに連れていくことにするお話。
二つ目は、ゴジラが何か良からぬことを考えているらしいテクノロジー企業に技術者として潜入して密かに陰謀論をまき散らしているブライアン・タイリー・ヘンリーが、その本社がゴジラに襲われた後、彼の陰謀論に興味を持つ少女ミリー・ボビー・ブラウン(カイル・チャンドラー演ずる科学者の娘)らと共に香港支社に飛んで秘密を探る、というお話。
三つ目は、その企業のCEOで一種のマッド・サイエンティストであるデミアン・ビチルの企みに関するお話。
勿論互いに関連し合うわけで、社長の娘エイザ・ゴンザレスは一つ目の空洞グループに同行するし、二つ目の三人はビチルの企みの現場に入り込むといった流れで、最終的に空洞から戻ったコングとゴジラとが闘う終盤で一緒になる。
しかし、この二組はどちらも悪役ではなく、最終的にビチルが生み出した悪役メカゴジラと絡み合う。タッグを組む二頭が悪役を攻撃する様子は、確かに怪獣映画はプロレスだと言われるだけのことはある。
個人的に怪獣映画そのものに興味が湧きにくい心境にあるのに加え、三組の様子が並行して進行する構成が良くない。バランス的に一つを幹にして他を枝にすればもう少し見通し良くがっちり作れただろうが、現状では散漫さを禁じ得ない。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの失敗(と思っている人は多くないかもしれないが)を繰り返しているのである。
日本の小栗旬が出演しているが、英語力の問題か、台詞も出番も少ない。
本作ではゴジラはサブであるが、題名では前に来た。こういう扱いは面白いね。
2021年アメリカ映画 監督アダム・ウィンガード
ネタバレあり
小学生時代の1960年代後半に怪獣映画はピークを迎えたが、その当時から余り興味がなかった。TVの「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」はさすがに観た。そういう僕であるから、頻繁に作られすぎる「ゴジラ」は食傷気味なのである。アメリカ生まれの「キング・コング」はまだ多少興味が湧くので、気を取り直して観たが、今一つ。
1962年に東宝が作った「キングコング対ゴジラ」のリメイクに相当するようだ。
お話は暫く3つのグループに分かれて進行する。
一つ目は、キングコングを捕獲して研究を続けるレベッカ・ホールなど研究所モナークの人々がコングの扱いに困った末に、アレクサンダー・スカルスガルドの研究分野である地球の空洞がコング(やゴジラ)の故郷ではないかと考え、そこに連れていくことにするお話。
二つ目は、ゴジラが何か良からぬことを考えているらしいテクノロジー企業に技術者として潜入して密かに陰謀論をまき散らしているブライアン・タイリー・ヘンリーが、その本社がゴジラに襲われた後、彼の陰謀論に興味を持つ少女ミリー・ボビー・ブラウン(カイル・チャンドラー演ずる科学者の娘)らと共に香港支社に飛んで秘密を探る、というお話。
三つ目は、その企業のCEOで一種のマッド・サイエンティストであるデミアン・ビチルの企みに関するお話。
勿論互いに関連し合うわけで、社長の娘エイザ・ゴンザレスは一つ目の空洞グループに同行するし、二つ目の三人はビチルの企みの現場に入り込むといった流れで、最終的に空洞から戻ったコングとゴジラとが闘う終盤で一緒になる。
しかし、この二組はどちらも悪役ではなく、最終的にビチルが生み出した悪役メカゴジラと絡み合う。タッグを組む二頭が悪役を攻撃する様子は、確かに怪獣映画はプロレスだと言われるだけのことはある。
個人的に怪獣映画そのものに興味が湧きにくい心境にあるのに加え、三組の様子が並行して進行する構成が良くない。バランス的に一つを幹にして他を枝にすればもう少し見通し良くがっちり作れただろうが、現状では散漫さを禁じ得ない。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの失敗(と思っている人は多くないかもしれないが)を繰り返しているのである。
日本の小栗旬が出演しているが、英語力の問題か、台詞も出番も少ない。
本作ではゴジラはサブであるが、題名では前に来た。こういう扱いは面白いね。
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