映画評「マトリックス レザレクション」
☆☆★(5点/10点満点中)
2021年アメリカ=オーストラリア合作映画 監督ラナ・ウォシャウスキー
ネタバレあり
前作からのスパンの長いシリーズも今世紀に入って珍しくなくなったが、もはやないと思っていた「マトリックス」の18年ぶりの第4弾。
驚いたというより呆れた。このシリーズのファンであれば楽しみにもなるだろうが、さほど傾倒もしなかった僕にとって、仕方なく観たというのが近い。上映時間が147分もあるというのもネック。
“マトリックス” の世界はゲーム内だった、というひねった種明かしのように始まるのが一応面白く、その作者たるトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーヴス)はゲーム作りの為に精神を病み、セラピスト(ニック・パトリック・ハリス)の治療を受ける。
が、その現実はやがて一件の連絡により変容し、ゲーム内であるはずのマトリックスの世界に閉じ込められたティファニーことトリニティ(キャリー・アン・モス)を救出する使命を帯びてしまう。
現実と仮想現実が螺旋的に入れ替わる、かつ、多層的なややこしい話につき、僕には頭の中できっちり再構築(文章化)できない。そんな状態につき、途中でお話はどうでも良くなり、開き直って世界観ならで世界感(作品世界)を楽しむことに徹することした。
僕に限らず、細かいところより、現実と思われた世界が実は作られた世界、即ち現実が仮想現実であるという設定を楽しむのが一番だろう。
しかし、そのお楽しみの為に過ごすには、理解するのも難儀する台詞の数々に彩られた147分という上映時間は、平均的な頭脳の持主にはかなり辛いと思われる(最近は早回しする人が多いと聞くが、それではその時間に対する忍耐に立脚する評価も出来ないので映画鑑賞とは言えない。それは単なる消化だ)。
画面は賑やかだが、同時代的には前の3作における革新性に大きく及ばない。
仮想現実を扱った作品で一番ピンと来たのは「“アイデンティティ”」。
2021年アメリカ=オーストラリア合作映画 監督ラナ・ウォシャウスキー
ネタバレあり
前作からのスパンの長いシリーズも今世紀に入って珍しくなくなったが、もはやないと思っていた「マトリックス」の18年ぶりの第4弾。
驚いたというより呆れた。このシリーズのファンであれば楽しみにもなるだろうが、さほど傾倒もしなかった僕にとって、仕方なく観たというのが近い。上映時間が147分もあるというのもネック。
“マトリックス” の世界はゲーム内だった、というひねった種明かしのように始まるのが一応面白く、その作者たるトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーヴス)はゲーム作りの為に精神を病み、セラピスト(ニック・パトリック・ハリス)の治療を受ける。
が、その現実はやがて一件の連絡により変容し、ゲーム内であるはずのマトリックスの世界に閉じ込められたティファニーことトリニティ(キャリー・アン・モス)を救出する使命を帯びてしまう。
現実と仮想現実が螺旋的に入れ替わる、かつ、多層的なややこしい話につき、僕には頭の中できっちり再構築(文章化)できない。そんな状態につき、途中でお話はどうでも良くなり、開き直って世界観ならで世界感(作品世界)を楽しむことに徹することした。
僕に限らず、細かいところより、現実と思われた世界が実は作られた世界、即ち現実が仮想現実であるという設定を楽しむのが一番だろう。
しかし、そのお楽しみの為に過ごすには、理解するのも難儀する台詞の数々に彩られた147分という上映時間は、平均的な頭脳の持主にはかなり辛いと思われる(最近は早回しする人が多いと聞くが、それではその時間に対する忍耐に立脚する評価も出来ないので映画鑑賞とは言えない。それは単なる消化だ)。
画面は賑やかだが、同時代的には前の3作における革新性に大きく及ばない。
仮想現実を扱った作品で一番ピンと来たのは「“アイデンティティ”」。
この記事へのコメント
どういう世界が形成されているのか全体像がよくわからないですよね。
>3部作でトリニティーがあんなことになったのがショックでした
いやあ、僕はすっかり忘れていますよ。
かと言って、復習するほど入れ込んではいませんしねえ。