映画評「アンチャーテッド」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2022年アメリカ=スペイン合作映画 監督ルーベン・フライシャー
ネタバレあり
コンピューター・ゲームの映画版との由。この類は全く関心がないので当然現物に触れたことはないが、一時期ポイントが付くクイズでこの題名は聞いたことがある。冒険ものということでしたな。
海賊であり提督でもあったフランシス・ドレイクの末裔、と亡き両親に教え込まれた青年ネイサン(トム・ホランド)が、生き別れした兄サムの居場所のヒントとなるかもしれぬと、現れたトレジャーハンターのサリヴァン(マーク・ウォールバーグ)の要請に応じて、マゼラン探検隊が残したという莫大な黄金を探す冒険に参加することになる。
二人は、その為に必要な秘宝の十字架が出されるオーディションに出席、マゼラン一行に金を出した一族の末裔モンカーダ(アントニオ・バンデラス)とその参謀の女丈夫ブラドック(タティ・カブリエル)と競売で競う、というのは見せかけで、サリヴァンが席で買値を出している間にネイサン君が停電を起して盗むという算段である。が、その辺は抜かりのない一味によって阻まれ、出たとこ勝負の騒動により何とか手中に収める。
といった具合に、本作の特徴は、通常の映画と違って所期のプランが上手く行くかどうかというサスペンスを見せ場とするのではなく、 ”出たとこ勝負” で文字通り勝負する作劇にある。それに早めに気付いてしまった人は少し気が抜けることになるが、現在の映画らしく場面の一々が華美なので間違いなく一定程度は楽しめる。
これを持ってスペインに繰り出した二人は、サリヴァンの知り合いの美人同業者クロエ(ソフィア・アリ)と合流、地下室でやっと見つけたと思った樽の中から出て来たのは地図。しかし、クロエはネイサンを昏倒させて地図を持ち逃げ、実は雇い主であったモンカーダと合流する。
彼らは自家用飛行機で地図の示すフィリピンに向うが、モンカーダは大悪党ブラドックに殺される。こっそり同乗していた二人はクロエと共に、一味に飛行機から落下させられる。辛うじてクロエと一緒にフィリピンの島に辿り着いたネイサンは以前兄から貰った絵葉書の数々から宝のある居場所を突き止める。
その後の展開は実際に見てもらうことにして、昔から映画に人気の秘宝探しという素材につき、ゲームの映画化という不安要素は一切気にする必要はないが、一番似ているであろう「インディ・ジョーンズ」シリーズのような、絵の面白さ・タイトさや素晴らしい映画的な呼吸を求めると不満が生じる。
二人が次第に相棒度を深めていくのは定石的ながら良しとして、彼らの会話のやり取りがスマートでないのは良くない。米国のユーモアの洗練度は近年ぐっと落ちた。
因みに、マーク・ウォールバーグは僕が魅力を理解できない俳優No.1なので、個人的にはこれもマイナス。
最後まで観ると、続編を作る気がありあり、ということが解ります。
2022年アメリカ=スペイン合作映画 監督ルーベン・フライシャー
ネタバレあり
コンピューター・ゲームの映画版との由。この類は全く関心がないので当然現物に触れたことはないが、一時期ポイントが付くクイズでこの題名は聞いたことがある。冒険ものということでしたな。
海賊であり提督でもあったフランシス・ドレイクの末裔、と亡き両親に教え込まれた青年ネイサン(トム・ホランド)が、生き別れした兄サムの居場所のヒントとなるかもしれぬと、現れたトレジャーハンターのサリヴァン(マーク・ウォールバーグ)の要請に応じて、マゼラン探検隊が残したという莫大な黄金を探す冒険に参加することになる。
二人は、その為に必要な秘宝の十字架が出されるオーディションに出席、マゼラン一行に金を出した一族の末裔モンカーダ(アントニオ・バンデラス)とその参謀の女丈夫ブラドック(タティ・カブリエル)と競売で競う、というのは見せかけで、サリヴァンが席で買値を出している間にネイサン君が停電を起して盗むという算段である。が、その辺は抜かりのない一味によって阻まれ、出たとこ勝負の騒動により何とか手中に収める。
といった具合に、本作の特徴は、通常の映画と違って所期のプランが上手く行くかどうかというサスペンスを見せ場とするのではなく、 ”出たとこ勝負” で文字通り勝負する作劇にある。それに早めに気付いてしまった人は少し気が抜けることになるが、現在の映画らしく場面の一々が華美なので間違いなく一定程度は楽しめる。
これを持ってスペインに繰り出した二人は、サリヴァンの知り合いの美人同業者クロエ(ソフィア・アリ)と合流、地下室でやっと見つけたと思った樽の中から出て来たのは地図。しかし、クロエはネイサンを昏倒させて地図を持ち逃げ、実は雇い主であったモンカーダと合流する。
彼らは自家用飛行機で地図の示すフィリピンに向うが、モンカーダは大悪党ブラドックに殺される。こっそり同乗していた二人はクロエと共に、一味に飛行機から落下させられる。辛うじてクロエと一緒にフィリピンの島に辿り着いたネイサンは以前兄から貰った絵葉書の数々から宝のある居場所を突き止める。
その後の展開は実際に見てもらうことにして、昔から映画に人気の秘宝探しという素材につき、ゲームの映画化という不安要素は一切気にする必要はないが、一番似ているであろう「インディ・ジョーンズ」シリーズのような、絵の面白さ・タイトさや素晴らしい映画的な呼吸を求めると不満が生じる。
二人が次第に相棒度を深めていくのは定石的ながら良しとして、彼らの会話のやり取りがスマートでないのは良くない。米国のユーモアの洗練度は近年ぐっと落ちた。
因みに、マーク・ウォールバーグは僕が魅力を理解できない俳優No.1なので、個人的にはこれもマイナス。
最後まで観ると、続編を作る気がありあり、ということが解ります。
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