映画評「地下室のヘンな穴」
☆☆★(5点/10点満点中)
2022年フランス=ベルギー合作映画 監督カンタン・デュピュー
ネタバレあり
フランス(=ベルギー合作)製ブラック・コメディーである。
熟年夫婦アラン・シャバとレア・ドリュッケールが曰く付きの家に越して来る。地下にある穴を降りると、何故か家の2階に出る変な家である。それを一回すると、12時間後にタイム・スリップする代わりに肉体は3日若返る、と不動産屋に言われて購入を決めたのである。
その祝いに、近所に住む社長ブノワ・マジメルと内妻アナイス・ドゥムースティエを招くと、社長が自分は電子ペニスに変えたと驚きの告白をする。そのお返しにシャバ氏は家の秘密を告げようとするが、穴を使って若返りを考えている細君は語らさせない。
彼女は実際に若くなって、遂には念願のモデルになるが、精神が不安定になるという代償を払う。マジメル氏は運転中にペニスが発火し、事故を起こして死んでしまう。
不自然なアンチ・エイジングは碌なことにならないという説教をブラックなコメディーの形で表現したものである。作者が何を言いたいか明確な作品が好きだと僕は言ってきたが、ここまで直截(ちょくせつ)的であると、身も蓋もない感じがして感心できない。SF的なギミックを使っている為にその直截ぶりが却って目立って良くない。
かつては真面目な青年役が似合っていたブノワ・マジメ(真面目)ルが、実年齢より老けている感じがするのはともかく、やるような役ではないだろう。
面白い映画を作るのはそうカンタンではないちゅうこと。
2022年フランス=ベルギー合作映画 監督カンタン・デュピュー
ネタバレあり
フランス(=ベルギー合作)製ブラック・コメディーである。
熟年夫婦アラン・シャバとレア・ドリュッケールが曰く付きの家に越して来る。地下にある穴を降りると、何故か家の2階に出る変な家である。それを一回すると、12時間後にタイム・スリップする代わりに肉体は3日若返る、と不動産屋に言われて購入を決めたのである。
その祝いに、近所に住む社長ブノワ・マジメルと内妻アナイス・ドゥムースティエを招くと、社長が自分は電子ペニスに変えたと驚きの告白をする。そのお返しにシャバ氏は家の秘密を告げようとするが、穴を使って若返りを考えている細君は語らさせない。
彼女は実際に若くなって、遂には念願のモデルになるが、精神が不安定になるという代償を払う。マジメル氏は運転中にペニスが発火し、事故を起こして死んでしまう。
不自然なアンチ・エイジングは碌なことにならないという説教をブラックなコメディーの形で表現したものである。作者が何を言いたいか明確な作品が好きだと僕は言ってきたが、ここまで直截(ちょくせつ)的であると、身も蓋もない感じがして感心できない。SF的なギミックを使っている為にその直截ぶりが却って目立って良くない。
かつては真面目な青年役が似合っていたブノワ・マジメ(真面目)ルが、実年齢より老けている感じがするのはともかく、やるような役ではないだろう。
面白い映画を作るのはそうカンタンではないちゅうこと。
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