映画評「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」
☆☆★(5点/10点満点中)
2021年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・イェーツ
ネタバレあり
「ハリー・ポッター」のスピンオフ・シリーズ第3作。
ファンタジーに心動かされなくなり観たそばから内容を忘れてしまう老骨には、シリアル(続きものシリーズ)映画は辛い。まず登場人物の名前が思い出せず、旧作との関連把握が全く覚束ないのである。
では復習しなさいと言われるだろうが、色々な映画を観たい先の短い年寄りには一度観た映画をまた観る余裕などないのでござる。
第一作から出ている悪の魔法使いグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)が、心の清い者にひざまずく習性のある魔法動物キリン(中国由来ですな)を入手して殺し、魔法で偽物を作り、次の魔法界指導者を決める選挙で勝つことを画策する。
ところが、主人公たるニュート(エディ・レドメイン)が双子の片割れを発見していた為そう簡単には行かなくなり、グリンデルバルドはもう一頭いる本物を奪うべく配下の者を使ってダンブルドア兄弟らニュートの仲間に迫って来る。
というのがメイン・ストーリー。
これにニュートが兄テセウス(カラム・ターナー)を洞窟に探し出す冒険や、人間なのに大きく清い心の持主コワルスキー(ダン・フォグラー)の、不本意ながらグリンデルバルドに加担する闇祓いクイニー(アリスン・スドル)に対する純愛、ダンブルドア家出身という出自に苦悩してグリンデルバルドに利用されるクリーデンス(エズラ・ミラー)の闇、復讐を誓うアジア系青年の動向などを交え、進行する。
恥ずかしくも、第2作を観てから僅か2年強というのに前作の内容をすっかり忘れてい、自分の映画評の梗概をカンニングせざるを得なかったのだが、自分の不始末はさておいて、お話の見通しを考えると、ユーモラスでアクセントにはなっているもののテセウス救出の一幕は不要ではないか。しかも、コワルスキーと女魔法使いジェシカ・ウィリアムズが出席する集会の場面とでカットバックが構成されているので、まだるっこい印象が強い。
画面は「ハリー・ポッター」に近い印象が増しているものの、本作に限らず、もはやVFXに感動することは少なく、得点源にならないのはお気の毒様。
配役や世界的展開(最後の舞台はブータン)を見ると、ダイヴァーシティへの意識が高すぎる気がして、これも良し悪し。
環境保全の為にプラスティックを減らそうと地道な努力をする人がいるかと思うと、わけの解らない理屈をこねて暴力的な手段で他国から領土を奪おうとする時代遅れの専制主義者がいる。人間の世界が一番謎ですな。
2021年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・イェーツ
ネタバレあり
「ハリー・ポッター」のスピンオフ・シリーズ第3作。
ファンタジーに心動かされなくなり観たそばから内容を忘れてしまう老骨には、シリアル(続きものシリーズ)映画は辛い。まず登場人物の名前が思い出せず、旧作との関連把握が全く覚束ないのである。
では復習しなさいと言われるだろうが、色々な映画を観たい先の短い年寄りには一度観た映画をまた観る余裕などないのでござる。
第一作から出ている悪の魔法使いグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)が、心の清い者にひざまずく習性のある魔法動物キリン(中国由来ですな)を入手して殺し、魔法で偽物を作り、次の魔法界指導者を決める選挙で勝つことを画策する。
ところが、主人公たるニュート(エディ・レドメイン)が双子の片割れを発見していた為そう簡単には行かなくなり、グリンデルバルドはもう一頭いる本物を奪うべく配下の者を使ってダンブルドア兄弟らニュートの仲間に迫って来る。
というのがメイン・ストーリー。
これにニュートが兄テセウス(カラム・ターナー)を洞窟に探し出す冒険や、人間なのに大きく清い心の持主コワルスキー(ダン・フォグラー)の、不本意ながらグリンデルバルドに加担する闇祓いクイニー(アリスン・スドル)に対する純愛、ダンブルドア家出身という出自に苦悩してグリンデルバルドに利用されるクリーデンス(エズラ・ミラー)の闇、復讐を誓うアジア系青年の動向などを交え、進行する。
恥ずかしくも、第2作を観てから僅か2年強というのに前作の内容をすっかり忘れてい、自分の映画評の梗概をカンニングせざるを得なかったのだが、自分の不始末はさておいて、お話の見通しを考えると、ユーモラスでアクセントにはなっているもののテセウス救出の一幕は不要ではないか。しかも、コワルスキーと女魔法使いジェシカ・ウィリアムズが出席する集会の場面とでカットバックが構成されているので、まだるっこい印象が強い。
画面は「ハリー・ポッター」に近い印象が増しているものの、本作に限らず、もはやVFXに感動することは少なく、得点源にならないのはお気の毒様。
配役や世界的展開(最後の舞台はブータン)を見ると、ダイヴァーシティへの意識が高すぎる気がして、これも良し悪し。
環境保全の為にプラスティックを減らそうと地道な努力をする人がいるかと思うと、わけの解らない理屈をこねて暴力的な手段で他国から領土を奪おうとする時代遅れの専制主義者がいる。人間の世界が一番謎ですな。
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