映画評「極主夫道 ザ・シネマ」

☆☆（４点／１０点満点中）
２０２２年日本映画　監督・瑠東東一郎
ネタバレあり

タイトルから想像がつくように、ＴＶドラマの映画版。先日も言ったが、ＴＶドラマの映画版も以前よりは観るようになった。しかし、これは敢えて観なくても良かった口だ。

原作はおおのこうすけのコミック。

ヤクザだった男・玉木宏が、小学高学年の娘・白鳥玉季を持つキャリア・ウーマン川口春奈と結婚したのを契機に専業主夫として頑張っている。近所に実業家に偽装するヤクザ吉田鋼太郎の一味が現れ、大型商業施設の為の土地買収の為に安達祐実の経営する保育園に脅しを掛けて来る。折しも、捨て子を引き取ることにした玉木は保育園の為に一肌脱ぎ、弟分・志尊淳と共に一味と対決することにする。

というお話で、ヤクザが主夫業に専念するというギャップは狙いとして悪くないものの、余りにはしゃぎ過ぎで品がない。下ネタに頼るギャグに関係なく下品である。もう少しそこはかとなくニヤニヤさせてもらいたいところだが、こういうのが “ながら” で見ても十分楽しめることを目的とするＴＶ番組の見せ方なのだろう。

女性陣は只管二重人格的で時にヤクザ顔負けになったり、男性陣が尽く叩かれ役になったりと、この時代らしいのは良いとして、ギャップに頼ったキャラクターに差が少ないのは上手くない。こういうのは夫々一人ずつくらいのほうが却って良い筈である。
　中盤の即興演出は日本のメジャー・コメディーには珍しく、興味深く見た。

ＴＶドラマは題名も知らんデス。