映画評「男性都市」

☆☆(4点/10点満点中)
1942年アメリカ映画 監督ルイス・セイラー
ネタバレあり

ジョン・ウェイン主演の未鑑賞作品は少ないので、プライム・ビデオで観る。

鉄鋼の町ピッツバーグに近い鉱山で働く炭鉱夫ウェインと親友ランドルフ・スコットが、ボクシング興行師の情婦マレーネ・ディートリッヒと親しくなり、恋の鞘当てを演ずるうちに、石炭関係の会社経営に乗出し、大手鉄鋼会社の契約書を偽造して得た資金で実際の契約に漕ぎつける。
 ウェインはマレーネを愛しながら、社長令嬢ルイーズ・アルブリットンと結婚する。この辺りから彼はワンマンになって、相棒スコットとも対立して決別、その結果関係者が次々と去り、遂には全てを失ってしまう。
 彼は折しも戦争特需で伸張したスコットの会社に偽名で就職、アメリカの為に一生懸命働いたとさ。

途中までは三人の有名俳優が出ている為サクセス・ストーリーとして何とか見ていられるレベルで推移するが、終盤はアメリカの国威発揚映画になって甚だ鼻白む。ただの凡作が厭らしい映画になる。

ビッグ・スターが3人も出ているので輸入(1951年)したのであろうが、戦中の日本に関係のなくもない、米国製のこういうプロパガンダ映画を堂々を公開した配給会社の根性を褒めたくなる(皮肉ですよ、勿論)。

後悔先に立たず、ならで、後の公開先に立たず。

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