映画評「ナイルの宝石」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1985年アメリカ映画 監督ルイス・ティーグ
ネタバレあり
1980年代ヒットした「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の続編で、二番煎じのそしりを免れず、実際の出来栄えも落ちるが、その昔二番館(名画座)で見た僕はそれなりに楽しんだ。
前作の冒険で結ばれて世界一周中の山師マイケル・ダグラスと閨秀作家キャスリーン・ターナーが地中海の港町に寄港する。そこのパーティーで、人気作家キャスリーンはアフリカ某国(スーダンを想定か?)の独裁政治家スピロス・フォーカスに伝記の執筆を頼まれ、その真意も知らずに同行して入国する。
ダグラスは、 小悪党ダニー・デヴィートーと色々絡み合いながら、 “ナイルの宝石” という秘宝を手に入れるべく追って入国する。 独裁者ぶりを発揮したフォーカスに軟禁されたキャスリーンは、地元の民に崇められている監禁中の聖人アヴナー・アイゼンバーグと出会って脱出、これにダグラスが加わって逃避行。
それを欲の皮が張ったデヴィートーが “ナイルの宝石” を奪還しようとする地元民と一緒に追い、当然独裁者側もこの追跡劇に加わる。
“ナイルの宝石” を巡る争奪戦で、キャスリーン、ダグラス、デヴィートーの順に “ナイルの宝石” が聖人の呼称であると知るところに案外面白味がある。キャスリーンが長く “ナイルの宝石” の正体を隠すのも一種の恋愛心理で、これと現実主義的要請とが絡み合って進行するといった具合に、Allcinemaの解説者が仄めかしているように、ロマンティック・コメディーの性格が強い。
それでも最新型ジェット機を飛ばさずに街路から砂漠まで走行したり、崖や列車上での逃避行アクションはなかなか盛大である。最後の独裁者の集会はナチスを意識していると思う。
もっと真面目にサスペンス醸成に努めればぐっと面白い佳作くらいにはなったろうが、B級(廉価)映画の監督ルイス・ティーグでは力不足の感が強い。残念でしたね。
二番煎じを二番館で。気づかないうちに洒落になっていたよ。
1985年アメリカ映画 監督ルイス・ティーグ
ネタバレあり
1980年代ヒットした「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の続編で、二番煎じのそしりを免れず、実際の出来栄えも落ちるが、その昔二番館(名画座)で見た僕はそれなりに楽しんだ。
前作の冒険で結ばれて世界一周中の山師マイケル・ダグラスと閨秀作家キャスリーン・ターナーが地中海の港町に寄港する。そこのパーティーで、人気作家キャスリーンはアフリカ某国(スーダンを想定か?)の独裁政治家スピロス・フォーカスに伝記の執筆を頼まれ、その真意も知らずに同行して入国する。
ダグラスは、 小悪党ダニー・デヴィートーと色々絡み合いながら、 “ナイルの宝石” という秘宝を手に入れるべく追って入国する。 独裁者ぶりを発揮したフォーカスに軟禁されたキャスリーンは、地元の民に崇められている監禁中の聖人アヴナー・アイゼンバーグと出会って脱出、これにダグラスが加わって逃避行。
それを欲の皮が張ったデヴィートーが “ナイルの宝石” を奪還しようとする地元民と一緒に追い、当然独裁者側もこの追跡劇に加わる。
“ナイルの宝石” を巡る争奪戦で、キャスリーン、ダグラス、デヴィートーの順に “ナイルの宝石” が聖人の呼称であると知るところに案外面白味がある。キャスリーンが長く “ナイルの宝石” の正体を隠すのも一種の恋愛心理で、これと現実主義的要請とが絡み合って進行するといった具合に、Allcinemaの解説者が仄めかしているように、ロマンティック・コメディーの性格が強い。
それでも最新型ジェット機を飛ばさずに街路から砂漠まで走行したり、崖や列車上での逃避行アクションはなかなか盛大である。最後の独裁者の集会はナチスを意識していると思う。
もっと真面目にサスペンス醸成に努めればぐっと面白い佳作くらいにはなったろうが、B級(廉価)映画の監督ルイス・ティーグでは力不足の感が強い。残念でしたね。
二番煎じを二番館で。気づかないうちに洒落になっていたよ。
この記事へのコメント
「シリアル・ママ」以後、ぱたっと出てこなくなって、どうして? と思っていたんですが、かなり後になってから、劇症のリウマチで闘病していたことを知りました。現在は、テレビドラマに出たりしているそうです。
>80年代のキャスリーン・ターナーはすばらしかったですよね。
はい。
出世作がクール・ビューティーで、その後コメディーが多くなり、突然お太りになられて、見た目で評価するのもどうかと思いつつ、かなり幻滅。
いつか主演作が見られなくなりました。
>劇症のリウマチで闘病していたことを知りました。
その背景には闘病があったわけですねTT